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バル 何でもかんでも床に捨ててしまい、その量の多さがお店の繁盛のバロメーター?
アンダルシア地方で良く見かける居酒屋(バル)風景。

バル EC加入も済せ、バルセロナオリンピック、セジージャ万博と国際イベントをこなしたスペインは、かのナポレオン謳った「ピレネー越えればアフリカ!」と云うヨーロッパの田舎的イメージを払拭し、もはや立派なヨーロッパの一員となった。
 にもかかわらず、労働を必要社会悪と考える自主的風失業者達と、酒とお喋りに人生を謳歌する観の南部アンダルシア地方は、ともすると訪れる旅行者にとって一番スペインを感じさせてくれるかもしれない。

 そして朝から水がわりに酒を飲む彼等にとって、むしろ自分の家よりも落ち着けるのが、人口の数だけありそうなバル(飲み屋)である。
 立ち飲みが主流で、話し好きの彼等は誰関係なく隣にいる奴に話しかけて楽しんでいる。

 バルに行った日本人ならたいてい経験があると思うのが、「空手やってみろ!」と言われる事だ。見よう見真似で「アチョーッ!」なんてやってあげると、店中拍手喝采となる。
 ビール、ワイン、ウイスキーなど一杯150円ぐらいで飲めて、タパと呼ばれる小皿に種々雑多なツマミを盛って出してくれるのが実に美味い。
故マキシーのバル カウンターのガラスケースに陳列してあり、ポテトサラダ・オイルサーデン・肉団子・煮込み・煮豆・カラ揚げ・イカリング・タコ・エビ・貝類・ハム・サラミなど、日本人の味覚からそうあまりはずれていないので、日本食が恋しくなると云う事はまずない。

 そして他の諸国では見られない光景は、ゴミ、食いカスなどを総て床にポンポン投げ捨てている事で、吸殻・ティッシュ・カラ揚げの骨・エビの頭・貝殻・小魚のシッポetc…。
 日本でやったら大変な事になるが、ここではマスターが閉店後にまとめてモップがけして掃除し、むしろ床の汚れが繁盛のバロメーターにもなるらしい。

 バルで飲んでいると足に何かがぶつかり「子供かな?」と思うと、これがライオンみたいな種類の良く分からない大きな犬で、スペインではこのテの犬がやたら多くて、床に落とした食べ残しを探しては食べている。
 でも子供から大人まで、みんなお構いなしで、犬も噛みつくと云うの事もなく、むしろ金のない客の様な扱いすらあり、時々餌を貰ったりもしている。

 床にゴミを捨てるのを道徳心として許さない私達日本人にとって、気にもせずゴミを捨てるというのは、アダムとイヴの禁断の実を食べる様な一種の爽快感もある。
 タパに落花生なんか出た日には床が落花生のジュータンに早変わりし、踏めばバリバリ、店中バリバリ!その音で「今日は、ちょっとだけ飲もう!」と云う理性がなくなり子供の泥んこ遊びに似た半ばヤケクソ気味になって、おのずグラスの数が増して行く…。

 さすがにスペイン北部はこの様なのがなくなりつつあるが、夜の道を歩いていて、外灯もネオンもそして看板もない開け放たれた小さな入り口から、歌声や話し声が聞こえたら、まぎれもなくそれは市井息づくバルであり、ガイドブックにはない本当のスペインへの誘いのドアである事に間違いないだろう。

【 グァディックス町のバル(1986) 】

アンダルシアのバル アンダルシアのバル アンダルシアのバル
自家製のワイン倉庫に案内してくれた。タパ付き1杯50円は安過ぎる〜。

アンダルシアのバル  ここはクエバスタイルのバルで、陽気なおばちゃんが女主人。
 日本語を聞いた事がないのか「日本語を喋ってくれ」と言うので喋ったらワイン1杯サービスしてくれた。日本語って芸の一つだったんだあ。
アンダルシアのバル

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