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隔月誌「築地物語」 No.18 1992.9 掲載
世界の市場特集:スペイン・マラガの魚市場 Vol.2
朝からワインの市場のマラゲーニョ達
築地物語

 スペインでは国単位よりも地方、県の地元意識がかなり強く(だから国内ではオリンピックは今一つ盛り上がっていない)、その地域でしか使われない言葉がたくさんあって語学外国人学生は混乱する。

 マラガの喫茶店なんかに行くとコーヒーにミルクをどのくらい入れるかの表があって、「影」「雲」なんてのが10種類ぐらい明記してあるのだが飲んでみるとたいして差はなく、まして隣の県グラナダで「影一杯!」なんて言っても通じないのが頭痛の種だ。ブラック、カフェオーレは全国共通。

マラガの魚市場
スローシンクロでプロみたい〜
マラガの魚市場
喧嘩しているみたい
マラガの魚市場
大好きなサバもあった

 そー言えば、市場のオッさんが「アンダルシア地方(マラガ、グラナダ、セビィジャなど)はたくさんの魚の言葉を使うけれど、マドリッドなんかは少ないんだゼ!」なんて自慢げに言っていた。


サメはどうやった食べんだろう〜?
 しかし実際魚の名前を尋ねたりしても辞書に載っているのは半分ぐらいで、「どーいう字だ。書いてくれ!」なんて言おうものなら「オレは字を書けない。」と言う返答が常だ。
 後でスペインの友人に尋ねると「殆ど俗語、通称だから辞書に載ってなくてもしょうがないヨ。」と言われ、文盲の多さ故か通称の多さに驚かされた。

 魚の命名は興味深く、体の綺麗さから鰹を「綺麗」、赤えびのことを形から「赤ソーセージ」、ほうぼうは泳ぐ時の色彩から「金色」など、なかなか文学的だ。しかし何故かロブスターとイナゴが同じ単語であるのが不思議だ。

マラガの魚市場
市も終わってのんびり団らん
 南スペインの魚料理事情は、フライ、煮魚、フライパン焼きが殆どで、俗に云う開き、焼き魚はなく、刺身なんていうのは私達が猿の脳味噌を食べるのと同じ感覚だ。ただし生の貝類を割ってオリーブ油をかけて食べたりもするのだが全体に大味的薄味で、いつも塩を必携で食べていた。

 ところで表題の"マラゲーニョ"。私達が東京下町生まれの人を"江戸っ子"と呼ぶのと同様にマラガの人をこう呼ぶ。マドリッドはマドリィレーニョ、グラナダならグラナディーノとなり、それなら築地の人を"ツキジィーノ"、築地物語の愛読者は"築地物語ィーノ"にはならないかなぁ〜?

マラガの魚市場
こう云う形は世界共通
マラガの魚市場
市が終わって、みんな場外市場へ

マラガの魚市場

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