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Time To Time 2011-2013 : 36-18
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丘の家


向こうの丘の家から案内がきたので訪問した 
ゆりの花を手に持って
家族は歓迎してテーブルの周りを
輪になって踊った 
ゆりの花を手にかざし
こどもが笛を吹き 私も輪に加わって踊った
あまりにも踊りすぎて手が白くなった
赤い皿や緑の皿で食べた 何か山盛りのもの
あまりにも長く食べているのがさびしくて
席を離れて誰にも気づかれずに家を出た
霧の窓から室内を覗くと
食べ過ぎて紅くなった人々が
ゆらゆらと揺れていた
こどもが手を振り 私も手を振って丘をくだった

こちらの丘に帰ってきた

ただいまと頭の上で手を振りながら

扉を開けるとゆらゆらと揺れる影たち
いっせいにこちらを振り向くと
いっせいにバルコニーに消えていった

さよならと手を振りながら

最後の影が

一緒に来てもいいんだけどと手をかざした

私は深く横に体を曲げて会釈した 朗らかに

白や青の皿が出しっぱなしで

ローズウッドの香の匂いが残っている

私はそろそろと時計の中に入る

じっとする

Time To Time 2011-2013

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