大したことではないのだが、スペイン語のサイトや手紙などを書いていると、やはりアクセントやエニェなどのキーがあると助かる。
母音のアクセント付き記号は、マッキントッシュなら、最初に altキーを押しながらEを押し、任意の母音を押せば良く、エニェは、altキーを押しながらNを押してからもう一度Nを押せば良い。でもこれだと、その都度指がaltキーに行くので、リズム良く打っている時にはストレスがある。やはりこれは専用の方が良く、まだ虹色のリンゴマークだった1992年に拡張キーボードを買ってきた。Macintosh IIciの頃。
あれから10年が経ちキーボードもへたってきたし、USB供給になったので、通称ゴキブリ模様のを通販で買おうと思って、サイトを見た。
何回見ても、表示される画像のキーボードには、エニャがなく、どう見ても普通の英語版。もちろん、スペインのアップルサイトだ(2003.1現在)。
「パソコン界においては、スペイン語もとうとう英語の軍門に下ったのかい?」と、いろいろなスペイン人の友達に言うと、「そんなことはないよ。よし分かった、調べてみるから、すぐ連絡するよ」と、みんなが同じように言った。
頼もしいなぁ、やはりスペイン人は親切だな、と思ったけど、調べるのに随分時間がかかるのか、私がスペインから戻ってきても、未だ調べているみたいで何処からも連絡がない。
単にパソコンとは言ってもなかなか身近では分かりづらいからだろうと思った。
スペインに出発するぎりぎりに何とか連絡が取れたのが、16年来の悪友ホアンヘ。
グラナダで一緒の時にはアホなことばかりやっていたのが、今では10人の従業員を抱える社長である。
ホアンヘと凛 2002.7 |
開口一番、私は怒っている、なんでもっと会える時間を作れないのだ、と私に言う。
以前に教えてもらった携帯やメルアドに何回も連絡したのを伝えると、携帯はころころ変るし、メルアドはドメイン取ったので変ったのだ、と悪びれずに言い訳をする。
それじゃ変ったのならそれを連絡しろよ、と言うと「忙しくて時間がなかった。」
スペイン人とディベートする時には、理論とか筋道なんて考えてはいけない、とにもかくもこじつけでも良いから言ったヤツが勝ちだ。
ホアンヘとはいつもこんな感じで最近は短時間しか会えない。娘は覚えていたみたいで仲良く遊んでもらった。それでもアルメリアからわざわざ忙しい中、グラナダへ私に会いに来てくれたのは感謝してもしきれない。
ホアンヘの実家 2002.7 |
飲んでいたワインをこぼしそうになりながら「げげっ、ホアンヘ、なんでマックなの?」
マックは素晴らしい、ウィンドウズは面白くない、アメリカは良くない・・・・とかとか、マックもアメリカなんだけどな。
「そうそう、マックのキーボードにエニェはあるか?サイトを見たのだけど、付いていないんだよ。」
「もちろんあるよ。それはマックサイトがオマヌケなだけさ。」
「何処で売っているのか分からないんだ。金を渡すから送ってくれないか。送料込で15,000円あれば足りると思うけど。」
「いいよいいよ、買ってプレゼントするよ。ホテルはコメルシオだろ、宅配便で送るからさ。」
こういうところって、スペイン人親切だよなー。でも血液型B型のホアンヘの事だから、アルメリアに着いたら忘れてしまうだろうな、ぐらいしか思っていなかった。
果たして、ちゃんと届いたのにはびっくりした。おまけに彼女からのプレゼントも入っていて、開けてみたら中古だ。おお、そうすると、ホアンヘが使っていたモノだ。そんなプライベートなのは、新品よりも何よりも嬉しい。
おそらく、探したのだけど分からず、自分のを送ってくれたのだろう。感謝
帰国してそのキーボードでメールしたのだけど、相変わらず返事は来ない。おそらく「ケンにキーボードをあげてしまったから、文字を打つことができなかったのだよ。返事が出せなかったのはしょうがないことだ。」と次回会った時に必ず言うだろう。ま、今回は許してあげよう。