「もう一つのElements」を一通りやったという前提に、このコーナー「イルカの写真【画像を整える】」を進めます。
良く分からない場合は、「もう一つのElements」と照らし合わせて行ってください。
実際の撮影では、露出を無視しイルカの動きを止めるために単にシャッタースピードを1/125(ISO 400)に固定して撮ったらアンダーになった、とのこと。
その2点の画像を整えてみましょう。
【作業環境】
モニター:CRT、6500K(WB)、ガンマ2.2
パソコン:PowerMac G5 Tiger(10.4.11)、Safari
ソフト:Photoshop Elements 4.0
【サンプル写真 No.1:001.jpg】
1-1)
画面全体が薄い青緑がかっていて、濃度はイルカの頭の部分が背景とかろうじて分離していればだいたいモニターは合っています。
ただ同じ画像でもElementsで開いたのとブラウザーで見たのとでは微妙に濃度が1/5ぐらい違う場合があります。Elementsの方を信用しましょう。
露出からすればアンダーだけど、ローキー調気味の写真としてありだと思います。
あるとすれば薄い青緑をちょっと取ってあげるぐらいかも。
1-2)
左上の海の透明感を出す為に少し明るく、かつコントラストを上げます。結果的にイルカの頭部と背景もちょっと分離します。
レベル補正の入力レベルを「0」「1.1」「240」。
↑あくまでも私の感覚なので「海の透明感を出す為に少し明るく、かつコントラストを上げる」感じをモニターを見ながら自分で決定してください。
因にデスクトップのパソコンで、1-1)と1-2)の画像が同じ濃度に見えたら、モニターを替えるかキャリブレーターを購入した方が良いです。
ノートのモニターはあまり期待薄で単に画像チェックぐらいで留めておくのが良いかもしれないです。外部モニターを接続するなりして画像の為のパソコン環境を変えた方が良いです。
1-3)
色調は、まずレンズフィルターでやってみたが良い感じにならず、カラーバランスのマゼンタを「-5」で良い感じになった。
分かりづらいと思うけど、左上の白い海の部分の緑が抜けて綺麗になった。
1-4)
カラーバランスのマゼンタを「-10」にすると緑が綺麗に抜けて良いと思うかもしれません。
しかし替わりにマゼンタが逆に浮いてきました(イルカの胴体辺りが顕著)。
さてここで考えた方なのだけど、水の色というのは青、緑などのイメージ残色があって決して赤系ではないです。そこのところに気になる緑を完全に捕色してしまうと違和感のある、つまり画像で調整したな、という印象の赤が残ってしまう危険性があります。
というのが1-4)の画像、1-3)と見比べてみてください。
もしかしたらこの1-4)で落ち着くかもしれませんが、まだ先があるので焦らずに寸止め辺りにしておくのが良いです。
1-5)
1-3)を良く見てみると、それでも全体的に青緑が強い感じがします。
レンズフィルターの「フィルタ暖色系(85)」の「18」辺りが良い感じになりました。
自分でやる場合は適当に数値を入れてゆくのも良いですが、スライダーを動かしながらプレビューのチェックをoffにしたりonにしたりして違いを確認してゆくと分かりやすく良いと思います。
良く見る箇所は左上の白い海面辺り。青を抜く変わりにアンバーがかからない程度です。
1-6)
さていよいよ仕上げ。
1-5)を見てみると、いろいろ調整したが為に全体的にヌケ、つまりコントラストと濃度が落ち、全体的にややネムい感じになってしまいました。
「レベル補正」と「明るさ・コントラスト」の2つの方法がありますが、片方だけだと効果が極端になってしまうので両方を少しずつ使って行きます。こつは8割をレベル補正で行い、残りの仕上げを明るさ・コントラストで締めるというやり方です。
レベル補正の右△だけを左に移動させてしまうとコントラストだけが付いてしまうので中央の黒▲を少し左に移動させた後に右△を移動させます。
結果的に入力レベルは「0」「1.1」「230」。
綺麗に画像になったけど、銀塩プリントのような深味がなくなっているのでこれを最後に「明るさ・コントラスト」で肉乗りさせます。
明るさ:0 コントラスト:+15。
最後にレンズフィルターの「フィルター寒色系(80)」の「10」で海の青さをちょっとふりかけて出来上がり。
モニターで見るとイルカの背中などが潰れていますが、モニターの階調表現力はプリントのと比べてかなり落ちるのでプリントしてみるとそれなりにトーンが出て良い感じになると思います。
このやり方は、全てこうすべき、というのではなく、その都度少しずつ調整しながら画像をチェックしながら詰めて行くやり方で、絵柄によっては一発で行くのもあったりもします。
基本的にデジタルにおける画像調整は、明るさや色気とかよりも何よりも銀塩同様に「ヌケ」と「深味」が重要です。
色や明るさを変えればヌケや濃度は低下してきます。それはそれで無視して色と明るさを調整して行き、最後にコントラストを付けてゆくのがポイントです。
実画像は → 001.jpg
デスクトップ等にドラッグ&ペーストしてください。300ppi/200×135mm(A5サイズ)/2.5MB
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