紺碧 2011.1.14-12.2 54回
万年筆のインクはずっとシェーファーのブルーが好きで、国産のブルーとは違い本当の青色のちょうど水彩絵具のようなクリアー感があるので昔からずっと愛用していた。
そんな時、万年筆好きの知人からの情報で、パイロットから新しいインクが出た、とのこと。
「色彩雫(いろしずく)」という17色のシリーズだ。
https://www.pilot.co.jp/products/pen/fountain/iroshizuku/
今まで見たことのないようなインクの色ばかりでびっくり。
ハンズでいろいろ売っていたので、シェーファーのブルーに似た「紺碧(コンペキ)」というのを選んだ。
タバコの一回り大きいくらいの瓶で50mlの容量で1,570円、これが高いか安いかは、好みとこだわりだと思う。ま、何本か万年筆を買うと思えば、こちらの方が断然安上がりだが。
つーか、万年筆なんて全然使わなくなった昨今、なんでこんな割高なインクをパイロットは出すのだろうか?良く分からない。嬉しいけど。
昔の全盛時には及ばないにしろ、それなりに安定した万年筆愛用者がいる、ということなのかも?
さすがに便箋に手紙を書くことはなくなり、たいていがメールになってしまったけど、手帳、一筆箋そして語学勉強に良く使っている。
読んでも覚えられない単語なので写経のようにひたすら書いて覚えるしかないからだ。昔はスペイン語、今は中国語になっている。万年筆はいつものデルタのドルチェビーダ(https://www.accitano.com/doc/Album/VARIOS/Estilograficas/?lang=J)。
実際に「紺碧」で書いてみるとをなんか独特で雅な日本らしい色合いで、書くこと自体より楽しくなってきた。
というのが、2010年10月の話で、使い始めたのが2011年1月。
紫式部 2011.12.2〜2012.5.5 66回
何回使えるのか、吸引の度に印をつけて行った。
外出用の台湾製
TWSBIという万年筆にも入れているけど、思えば色つきじゃなくて透明のスケルトンにすれば良かったかな、と後のカーニバル。
シェーファーのでもこのiroshizukuの瓶でも可愛いのだけど残りが少なくなってくると上手く吸えない構造になっていて、これはやはりモンブランのが断然使いやすい。残り少なくなったらこちらに入れ替えて使っている。
2011年12月、55回目でインクがなくなった。私の使い方だと1瓶1年のようだ。
1年経って変わったことは、アマゾンサイトの送料が無料になり、わざわざハンズとかに行かなくて済むようになったことと、なんとシリーズに4色加わり全21色になったことだ。やはりそれなりにインクの需要があるようだ。
今回は「紫式部」というのを買ってきた。
名前から紫なんだけど、やや淡いアイボリーパープル。いずれもこのiroshimizu(いろしみず)シリーズの色ってどれも平安時代を彷彿させるような色合いだ。平安時代には行ったことないけど。
通常のインクが800円ぐらいだから豪華な瓶と箱であったとしても倍ぐらい割高高級インキだが、そうそう替えるものではないので気にはならない。
逆にお洒落な瓶なので空になっても捨て切れず部屋のインテリアになっている。
ということで、2012年のイメージカラーは紫式部〜。
土筆 2012.5.5〜8.24 53回
「2012年のイメージカラー」と、言ったのだけど、5月に使い切ってしまった。
不思議なのは、紺碧の時は吸引数が54回なのに、紫式部は66回。同じ万年筆を使っているのに何が違うのだろうか?
インクも少なくなってくると微妙に色が濃くなってくる。水分が蒸発してしまうからだろうか。それはそれで色変わりが楽しい。
また、この色雫シリーズにて今度は何色にしようか?と考えるのも楽しくなってきた。
3本目は「土筆」を選んでみた。土の筆のようだからツクシねぇ、なかなか美しい日本語だ。
あっと言う間の4ヶ月弱で使い切ってしまった。ペン先が中字のデルタのマオリと細字のドルチェビーダの2本を使用したからだと思うのは、その前が、細字ドルチェビーダとミニだったからだ。太字を使うともっと早くなる?
それでも吸引回数は53回と「紺碧」の時と同じだ。
土筆というとやや濃い黄土色のイメージがあるけど、この「土筆」は焦げ茶色に感じた。紙質にも拠るし、水性という条件、そして文字を書くところではそこそこに濃くないと良く見えない、などの理由もあるだろうが、ややありきたりの色に感じた。
インク交換時には万年筆を清掃するのだけど、デルタのインクカートリッジ、分解できるとは知らなかった。
松露 2012.8.26〜2013.2.14 58回

irosizukuシリーズの4本目は「松露」。
築地の卵焼き屋かなと思ったら、意味は松の葉の露と色用キノコで、どっから見ても前者の色だが、松の露ってこんな色だったっけ?
「紺碧」よりちょっと緑が入っていてなかなか良い色だ。
ずっと使っているとその色を体が覚えてしまうことがあって、この「松露」、緑なんだけど、言葉で言えば「大和言葉」のような柔らかさのある色に感じる。
しかし、小学生の色鉛筆のに見えてしまうのは、100円ショップの自由帳に記しているか、字がヘタっぴだからだろう。
同じ緑系なら最初に使った「紺碧」の方が好みかな。
冬将軍 2013.2.15〜2013.4.22 58回

irosizukuシリーズの5本目は「冬将軍」。
選択を間違えたかもしれない。微妙にマゼンタの入った薄墨色で綺麗なんだけど、ノートに記したのを見てみると、香典袋に記す薄墨ペンに見えてしまうところがある。
一筆箋とかに記しても大丈夫なのだろうか・・。
使い終わってみると、確かにマゼンタが入っているので薄墨とは違うのだけど、普通に見たらやはり薄墨に見えるので、さすがに便箋には使えなかった。
もっとはっきりしたダークグレー色が欲しかったのだけど、色として黒や白は存在しないものなので、この辺の微妙さを出すのは難しいのだろう。
山葡萄 2013.4.22〜2013.8.27 20回

irosizukuシリーズの6本目は「山葡萄」。
「冬将軍」よりももっと選択を間違えたかもしれない。確実に便箋とかには使えない。
ただ白地に記した赤系色は多少カスれても見やすいので大学のレポート試験の練習書きにはとても良い。
しかし、カスれるのも度が過ぎてくると気になってくる。あまりにも頻繁で、A4に1枚ぐらい書くとカスれてきて、その都度ゴミ箱に向けてシャシャっと振る、を繰り返す。
だんだんとそれが繰り返されるとイラ立ちも極まってきて、ちとサイトで検索してみれば、ある万年筆のオーソリティが「赤と緑のインクには要注意!」とあった。物によっては固まりやすく詰まりやすい、とのこと。確かに、「紫式部」と「松露」はそんなことがあったのを思い出した。
使い切るまであと40回分ぐらいはあるだろう20回のところで根尽きて、使うのをやめ、この「iroshizuku」の前まで愛用していたシェーファーの「ブルー」に戻した。
いろいろ試した「iroshizuku」では、やはり最初の「紺碧」が書いていて一番楽しかったかな。

独特でお洒落な瓶なので取っておいたのだけど、さすがにかさばってきたので記念撮影をして資源回収日へ。
でも全部で6本使ったiroshizuku、並べてみるとなかなか壮観である。