写真教室の入門や基礎コースを終え、次のコースなどを受講していると、多少なりとも写真へのゆとりも出てくるもんだ。飲み会の回数も増えて、腹の方が出たという報告もあるが、痛風が出た!よりはマシだ。
その頃になると、周りの友人達からは、写真学校に通っている=写真が上手い人、または達人と呼ばれるようになり、ある日、「今度うちの知り合いがお店を出すので、メニュー写真を撮ってくれる?」とか「ライブをやるのでそれを撮ってくれる?」などと言われて、
「え、私に言っているのですか。」になった方もいると思う。
また、こんな撮り方をしたいな、とか、こう撮りたいな、などの意思表示も出てきて、ずっと50mm標準レンズだけで撮っていたのを思い出し、「何かもう1本、レンズを」となったりもする。
多種多様な情報が飛び交い、それらがいとも簡単に入手できる昨今、いろいろな誘惑も多く、趣味は写真一筋!というのが難しくなってきたところでは、大した値段ではないにしろ、他の趣味等にからみ、なるべく出費を抑えて、となってしまう場合もあるだろう。
ヤッちゃえば・・いや、使っちゃえば同じである感覚を持ち出して言えば、そう「中古」だって良いのである。
が、どのように使われていたか、誰が使っていたか分からない等の不安がある中古購入には、新品時にはない独特の躊躇感がある。
キムタクや福山雅治、藤原紀香、酒井和歌子(ふ、古い)が使っていたレンズなら、それだけでプレミアだけど、貴女の一番嫌いなタイプの男が、その脂ぎった手で握ったレンズ・・・などと想像すると、まさにホラー映画突入だ。
男は、何故か、嫌いな女が握ったレンズだったとしても、あまり気にならないのが多い。
しかし、そこまで考えてしまうと電車の吊り革や飲食店のおしぼり、旅館の浴衣なんぞは使えなくなってしまうので、悪魔の囁きを断ち切る勇気と、自己の潔癖症の許容拡大への精神力があれば、「パラダイス・ユーズド」の世界が広がるのだ。
また中古購入時には、何処をチェックすべきかなどの知識&情報がそれなりに必要で、遠からず機材への理解&スキルアップに繋がり、機材を持つことへの意識も高まる副次的効果があると思う。
例えば、以下の簡単なクイズを即答でやってみよう。
* 問いは総てあなたの今持っている機材について。
- レンズのフィルター径は何mm?
- 〃 最短距離は?
- 〃 ヘリコイドって知っている?
- 〃 絞り羽って何枚?
- 〃 最小絞りはいくつ?
- カメラのシンクロっていくつ?
- 〃 プレビューボタンって付いています?
- 〃 最速のシャッタースピードはいくつ?
- 〃 電池の名称と本数は?
- だいたい分かった人は、グレート!ここを飛ばして次のページを見ましょう。
- 良く分からなかった人は、気にせずもっともっと写真を撮りましょう。
- 質問の意味さえも分からなかった人は、ここを良く読み授業料として中古をバコバコ買って沢山トラブルに遭遇し(うそうそ)、経験則としてスキルを上げてゆきましょう。
もっとも、これらは今取り立てて知らなくても良いし、敢えて本を広げて知る必要もない。撮影経験を積めば自然と覚えて行くことだからだ。
ただ、これを契機に、いろいろな角度から自分の機材を知り、そして相棒という意識を持ってみるのも一考だと思う。素性の分からない恋人って不安じゃない?
ここでの中古とは、いわゆるカメラマニアの、撮ることとは違った価値観における機材への執着嗜好は省き、あくまでも良い写真を撮るが為の最新または最近の機材を指し、買って良かったな、と思ってもらえることを目的とした、至って真面目なコーナーである!・・と思いたい。