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![]() 世界各国を旅してきた著者が、それら体験を主人公の回想としてオムニバスに展開するリズム感につい引き込まれてしまう。 夫婦喧嘩が元でオーストラリアから家出して日本にやってきたスーザンを探すも、いつもすれ違い。果たして、神秘の蝶を探しだせることができるのか。 少し遠くには、老夫婦が談笑しながら公園を歩いているのがみえる。その左手さらに奥には、父親が乳児をのせたベビーカーをおしている三世代家族が、四、五歳の娘を中心にして楽しそうに歩いているのもみえる。中年の太った女性が連れの年老いた男性に『今日は本当にのどかね』とスペイン語で言って私の前を通り過ぎていった。 気がつくと、近くでは二十歳になったばかりかとおもわれる若い母親が、かがみこんで小さな男の子と、バスク語でたわいもない会話をしている。(皺の深い老人達ではなく、こんな年端もいかない子がバスク語をしゃべっているなんて…) 私がふたりと直接言葉を交わしたわけではない。しかし、この母と子の語らいをきているだけで、人が自分達の文化、特に言語というものを静かに守って生きているのだなというのを、そのとき深く感じた。今までさまざまな国を旅してきたが、何故かこの場面がかずかずの旅のなかでも私の一番印象に残っている。 本文から
【著者プロフィール】
山口 良幸 Yamaguchi Yoshiyuki
25年以上前に大学で英米文学を専攻した私のもっとも気に入っている小説は、ビート・ジェネレーションの聖書とよばれているジャック・ケルアック氏の「On the Road(路上)」です。
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