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Time To Time 2011-2013 : 36-20
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部屋に雨が降り注ぐ


鎧戸を閉じカーテンを閉める
一条の光も忍び込まないように
そうして床に座る 灰色の石の床

両目を閉じても第三の眼が外を見ている
手で押さえてそれを閉じても
両耳が耳たぶの角度を変えて
見ている 聞いている
紫の木の葉の擦れあう音
自衛隊のカーキ色の輸送機の音
斜めに落ちる碧色の鳥の翼の音
異国の詩人の緑色がかった朗読の音
色もなく通り過ぎる神の布靴の音
両手をあてて耳を閉じる

天井から雨が降ってきて
カンフォタブルな水温
さっきの神や鳥や遠い詩人が
水のなかを過ぎてゆき
悩み顔の作家フランツ・Kは
城の裾の路地に面した小さな家から
石段をゆっくりと下り 
ブルタバ川に入ってゆく
やかましい白鳥たち

部屋に雨が降り注ぐ
水のなかに雨が降り注ぐ
父親が膨らんだドアを開けて入ってくる
父親も雨で濡れるが
漆黒のなかに光を掲げる
フランツ・Kの横顔をして

Time To Time 2011-2013

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