2000年代はクエバ(洞窟住居)を撮りに良くスペインに通っていた。
25年前に知り合った友達も私同様25年分の歳を取っていて、会話をすれば昔のようなヨタ話ではなく、それは思い出話に変わっていた。
訪れる町はそう変わらないので以前に来た時の自分だけの思い出が重なって残っていた、というのは滞在中には気付かず、帰国後に撮った写真を見て改めてそれらを思い出す。
久しぶりに会うと
「どのくらいいるんだ?」
「今回は1週間ぐらいかな、その後にアルメリアへ行くんだ」
「短い〜!今度はいつ来るんだ?」
まるで東京から青森に来た距離感で言うのには苦笑してしまうけど、暖まる歓迎の言葉だと思う。
「月なんてどっから見ても同じ大きさだけど、何故かスペインの月は日本のより大きく身近に見えるんだよね」
「良く言われるねぇ」
「なんでだろう?」
「さぁ?」
たいてい月が出る頃には、持っているのはカメラじゃなくてワイングラスなので私もいまだに分からない。
2011年4月16日〜30日
Gallery bar "26日の月"
Leica M6 50mm
PRESTO400
Focomat Ic
Rembrant G2
2001年9月オープンの10年続いた「26日の月」が移転となり新装開店。
そのこけら落としが今回の「イベリアの月」だったので何か企画でも、と思っていたところに 2011年3月の東日本大震災。
併せて義援チャリティ展としてマット付き四ツ切プリントを5,000円で企画し、ありがたいことに11枚が売れた。
「イベリアの月」のプリント乾燥中に大地震が起き、半分ぐらいが破損してしまった。再度余震の中でプリントしたのが10枚ぐらいで、売れた枚数と同じなのが印象的である。