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Time To Time 2011-2013 : 36-33
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その鳥


その鳥は
雪催いの空を保護色にして
灰青色の翼をひろげ
銀色の粒子を下界に撒く
粒子は雪となって
屋根や野原に舞い落ちる

その鳥が
最近現れた胸の十字に手をやると
北極の方を向いた部屋の老婆が
右手を胸に鏡台の前に座る
その鳥は知っている
もう少しでまるで遠くへ飛んでゆくことを

老婆は鏡のなかに
星を見ている 
雪を見ている 
海をみている
そのなかにともる灯を見ている

その鳥は庇の下の窓から
部屋の様子を見ている
もうすぐ海の底でいっしょになるのだと
海の底の青い遠い空で

窓が閉まっているのに
銀色の粒子のような雪が
部屋に舞い込む

Time To Time 2011-2013

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