FC Auto glazing machine

フェロ乾燥機 バライタ印画紙の表面は乾燥方法によって決まり、自然乾燥すれば半光沢、このフェロ乾燥機などを使えば光沢になる。
 通称「せんべい焼き」と呼ばれるハンディなフェロ乾燥機が一般的だったが、10人に聞けば10通りのやり方があるくらい熟練が必要なものなので、根性なしの私はこれを金で解決すべく、写真のようなスタイルのハンザ製大四ッ切乾燥機を買った。1985年で定価91,000円、2004年では売れないのか178,000円になっていた。

 その2年後、倒産した写真屋さんから不要品ということで貰ってきたのがこの全紙用フェロ乾燥機。幅が1mぐらいある大型なモノなので、専用台を作り洗面室の横に置いている。
 1985年では定価230,000円だったのが、2004年には500,000円。

 写真中央のピカピカに光っているドラムがフェロで、水洗の終わった濡れたままの印画紙をその下の動く布の上に乗せて、熱くなったこのドラムにくっつけてゆく。
 バライタ印画紙に熱を加えると黒が締まらなくなり敬遠されるところもあるが、今のサービスサイズ(手札)のように昔は一般的なプリントとして主流だった。
 もっとも最近のバライタ印画紙の銀の含有率は昔ほど多くはないし、それほどの違いを私は分かるレベルではないので気にしていない。
 それでも低温度でゆっくりと行う方が乾燥ムラが出ないので、濡れた印画紙が入りパリパリにフェロのかかったのが出てくるまでだいたい10分ぐらいはかかる。

 手間の煩雑さからモノクロ人口も少なくなり、さらに手間のかかるところからバライタよりもRCが主流となった昨今、そして、よりさらに面倒くさいフェロがけをやっている人というのは、日本全国でも1000人いないんじゃないかと思ってしまうくらい極少数派になった観がある。
 因に、フェロをかけるのは薄手のみで、それ以外は自然乾燥というのが一般的なバライタ印画紙の乾燥方法である。
 そしてこのバライタのフェロ光沢の輝きはとても美しく、とうていRCのは及ばない。