C&H Advantege pro mat cutter

マットカッター 写真展における展示方法というのもいろいろあるが、一般的には額装である。
 絵画とは違って薄い幅でシンプルなフレームが好まれ、そこに穴の空いた台紙と写真を入れる。
 台紙の厚さは通常2mmで、会場照明によりその断面が写真自体に影をつける為、斜め45度に切り込んである。この45度にカットするのが非常に難しい。

 金もないのに個展なんぞするから、こういうカットも自分でやらなければならない。外注すると倍以上の価格。
 マットカッターの種類や価格も種々雑多で、2,500円の黄色で有名なOLFAのを買った。ハンディカッターなので、直線に尚且つ均等の力で引き切るのは熟練を要し、最初は4枚やると1枚失敗の連続で、結果的に外注と変わらなかった状態と参敗だった。
 長方形の穴を開けるので1枚につき4回切るのだが、最後の4回目で失敗して良く泣いた。
 さすがに2度目からはコツを覚え、1つの台紙に3つの穴などを開けられるようになった。しかし写真展の場合、50枚ぐらいカットしなければならず、腱鞘炎になってしまうのではと思うくらいに手首が痛くなった。

 インターネットが普及しだし、まだカードによるサイト決算があやぶまれていた頃の1996年。アメリカのカタログ販売もやっている写真用品店「LIGHT IMPRESSINOS」から、ファックス&カードで、この「C&H Advantege pro mat cutter」を140,000円で買った。
 これは送料&保険&税金なども含んだ値段で、日本の輸入代理店で買えば、200,000〜250,000円するので、かなり安いと言える。
 ただ私の写真展は単なる道楽なので、何回開催しても元は取れないのが難だ。

マットカッター 日本ではローガン社のが有名だが、先輩写真家、多田徳茂氏が同機種を持っていたので、教えてもらうこともありこのC&Hのにした。

 届いたら結構バカデカく、あちらこちらの画材屋さんに置いてあるのと同じ業務用のだった。カメラマンを廃業したら、マットカッター屋を開業しようかと思っている。
 多少のコツは要るが業務用なので誰でもが簡単にカットできるようになっているのが嬉しく、何よりも手首の健康にはとても良い。
 それでも1つの台紙に3つも4つも穴を開けるのにはコツも必要で、自作のメジャーなどを貼り付けたりして愛用している。