Siner S

Siner S 昔は「4×5が使えてカメラマン」という時代だったので、フリーになって4×5の仕事はすぐは来そうにもないと分かってはいても、アシスタント時代、先に買ったのは、ハスキーの三脚と4×5であった(もちろんローン)。
 4×5を持っているステータスもあればフリーへの決意があったのかもしれない。
 最初に買ったのはジナーfだが、偶然にも数年前、昔の師匠のお父さんが使っていたこのジナーSがめぐり巡って私のところへやってきた。
 現在、ジナーfは中村教室に引き取られ第二の人生を送っている。大事に使ってね。> 生徒達

 ジナーSは、fやCが出る前の型であったが、丈夫に出来ていて、最初の師匠も愛用していたこともあって、是非とも欲しいなと思っていたところ、運良く、縁のあった人のモノだったというのが何よりである。

 Pが理想的に使いやすいが、バカでかくハスキーでも心もとないところもあり、このシンプルなSの方が私は好きである。
 慣れもあるのか、センターティルトよりこのベースティルトの方が使いやすい。
 昔はどの部品でもジナーのはかなり割高であったが同規格のホースマンのがあったから、貧乏自体は随分ホースマンに助けられた。しかしモノによっては微妙に合わないのもあったりするのが玉にキズ。

 何故かこのS、中古ショップでプレミア風に40万円前後あたりで売っている。
 金属でできていて手作りっぽい暖かさもあるとは言っても、アマチュアの人はこれを使う機会は限りなくないと思うのだが(使うのならフィールド)、ここ数年変わっていないこの値段は謎である。

 前ボードの色だけが違うのは、前ボードだけ何故か昔から私が使っていて、それによる色焼けの違いからである。

Siner S 何やら大きい感じに撮ってしまったが、携帯電話のちょっと小さなサイズの・・何という名前だったかなぁ、ビューファインダーとかいうのかな。
 下のレバーでレンズの焦点距離に合わせて覗いてみるとその通りに見えるというやつ。
 被写体によっては、4×5で覗いてから距離とかを調節するのは重たい三脚ごと移動するのが大変で、あらかじめこれで覗いてだいたいの距離やアングルを決めれば楽である横着者ご用達の小物だ。
 一般にはボディ上部のアクセサリーシューに取り付けたりするものらしいのだが、ここに取り付けてどうやって使うのだろうか。
 カメラの場所を固定し、撮りたいモノをこのレバーで見ながら焦点距離を選ぶのか?それならイメージと焦点距離がまずありきで、それによってカメラの場所が決まると思うのだが、うーむ、良く分からない。

 これもS同様、師匠のお父さんが愛用されていたもので、ずっと昔のリンホフ製。
 四角い穴の空いた前キャップも付いているが、これは6×9用(だったかな)。