11月1日と2日は死者の日。
これは日本のお盆みたいなもので、家にはオフレンダという祭壇を飾り、お墓にはたくさんの花を供える。
プエブラ市内では路上や公共施設のパティオ(中庭)などでも、色とりどりのオフレンダが展示され、オフレンダのコンクールも行われる。
そのプエブラ市から南西に約50kmのところにある、ウアケチューラの村。ここは白を基調としたオフレンダで有名なところである。家庭のオフレンダは遺族や先祖のための祭壇で、もともと一般に公開するものではないが、この村の一部の家では10月28日から11月2日まで観光客にもオフレンダを公開している。
プエブラで見てきたオフレンダは、展示会用に作られたもので、ある特定の人のための祭壇ではないが、ここのオフレンダは家の人が自分の遺族や先祖のために心を込めて作ったものだ。だからオフレンダを見ていると、その家の遺族や先祖に対する思いが伝わってくる。
中には最近家族を亡くした家庭もあり、さらに遺影を見ると、故人がまだ若かったことを示している物もある。
オフレンダを公開している家の中には、訪れた人にココアとパンをふるまってくれる家もある。家の人も故人を訪ねに来てほしいという気持ちもあるのだろう。この村のオフレンダを見始めたときは、見た目の美しさだけが印象的だったが、2軒目3軒目と見ていくうちに、だんだんと死者への敬意をいだきながら見るようになってきた。 |