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スペイン世紀末珍道中記 2000.12 記:カロリーナ坂本

■ 3-1

 なんでもなく過ぎていく20世紀最後の年末のはずだった。
 なのに…彼氏に捨てられ、ヒュ〜〜〜と心に木枯らしが吹いていたある日、教室の掲示板を見ていると、ボッキ〜中島先生ご一家が渡西するとの書き込みが目に飛び込んできた。
 「参加者募集?ってなことは、行っちゃえ!!」
 旅費の当てもないまま即決。なんとかなるさ、本当になんとかナルノ? ない金を掻き集めて、急きょ中島先生一家&岡2ちゃん&私カロリ〜ナというデコボコなメンバーで初のスペインに旅立つことと相成りました。

 成田発、コペンハーゲン経由、マドリッド行き。
 到着直後、タクシーにぼったくられるし波乱のスタートだったけど、ホテル近くのバルに行って、ボッキ〜先生、奥様のマリコさん、愛娘の凛ちゃん、岡2ちゃんとみんな勢揃いで、セルベッサ(ビール)で「かんぱーい!」。注:凛ちゃんはスーモ・デ・ ナランハ(オレンジジュース)を飲みすぎて最後は手が真黄色になっちゃった。)
 中村先生そっくり(マジ)のマスターの元、生ハムとチーズを肴にセルベッサ&ティント(赤ワイン)をゴクゴク。 くー、やっぱ、これっしょ!
 あー、やっとやってきたぞ、エスパーニャ!
 これからどんな旅になるか、楽しみ、楽しみ♪

 翌日はマドリッド駅から長距離バスでグラナダへ移動。移動、移動でちょっぴりぐったり。
 夕方ホテルアナカプリに到着し、ロビーで先生の10年来の友人エミリオと待ち合わせ。
 待っていると初老のエミリオと奥さんのコンチがやってきて、すっかりスペイン人になっているボッキ〜中島先生とマリコさんは久々の再会。
 「おー、元気だったか?この子がKENの子供かい? ムイ、グアッパ(可愛いね)! 名前はなんて言うんだい?」。
最後に会ったのは凛ちゃんが生まれる前というから約4年ぶりの再会。ほんとに懐かしそう!
 そうなんだよね、中島先生ご夫婦にとっては里帰りなんだもんね!

 「エンカンターダ!(はじめまして)」
 早速覚えたてのなんちゃってスペイン語でご挨拶。するとエミリオが顔を近づけてくるからビックリ!
 お互い頬を合わせるのがスペイン式挨拶なのね。なんだ、私に気があるのかと思ったよ。
 あー、そんな事言ってるからオトコとだめになっちゃうんだな、わしは!反省!!

 その夜、コンチの弟がマスターをしているバルで飲み!
 凛ちゃんは「眠〜い」と言う事で、マリコさんが一足先にホテルに寝かしに帰られた。
 お母さんってほんと大変!(しみじみ)。
 よく考えるとあの時間は日本時間でいえば早朝4時、眠いはずだ。子供の体内時計は正直なんだな〜。しみじみお母さんの大変さを感じたばかりなのに、その直後デロンデロンに酔っ払い、はじけまくった! 知らないスペイン人(そいつも酔っ払い)に台車に乗せられ、隣の店まで運ばれたりもしたさ。
 みんな「いっちゃってる」って思ったらしい…。嗚呼、嫁入り前なのに恥ずかしー! 酒は魔物さ!! 岡2ちゃん、あの時の写真あるう? ない方がうれしかったりするかも?? みんなぁー、記憶の奥底にとどめておくれぇ。
 翌日エミリオさんに日本語で「よっぱらい!」って言われたよ。コンチにも林家パー子みたいな笑い声で「ムイ、ビエン」って。 トホホ…。

 翌日から撮影開始!二日酔いの頭を抱えてかの有名なアルハンブラ宮殿へGO!
 到着してすぐぼったくられたりしたから、「スペインって怖い」と言うのが脳みそに刷り込まれて、カメラを出すのが怖くなっていたけど、クラナダはマドリッドとは違って安心して写真を撮る事ができた。
 グラナダを色に例えると白&コバルトブルーかな?
 石畳の道を歩いていると白壁の家には青い絵皿が埋め込んであって、窓辺には色とりどりの花々で彩られていて、みんな本当に生活を楽しんでるって感じ! ちょうど天気も良かったから、白壁が映えて最高に綺麗だった!。でも犬のウ○コを踏んづけてしまい、ちょい落ち込む。ウ○コ踏むと運がつくって言うらしいけど本当かい?

 「おかね(岡2)ねーちゃん、カロねーちゃん」とすっかり仲良くなった凛ちゃんとお手てつないで宮殿までの坂道を登ると、途中にスペインの寄せ木細工の職人でもあるエミリオのお土産屋さんがあって、  「エミリオ!」って元気よく言うと、
 「おー!きょーこ、さとみ(カロ)」って昔からの知り合いのような感じで微笑んでくれた。なんかだか和むね〜。昨日会ったばかりなのに。うれしくなっちゃうよー!
 エミリオは日本語が出来るわけじゃないけど、人の良さってにじみ出てくるもんなんだ。あー、もっとスペイン語できたらな。


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