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ボッキー中島ファミリーと行くスペインの旅 4-1

2002.7 記:大塚敬宣 参加者:濱田京子・香山浩子・南艸美和

■ グラナダ

 次の日は列車でグラナダへ移動。
 前回はバスで移動したけど、結構ハードだったという事で、今回はタルゴという長距離列車。
 順調に走っていたと思いきや、途中で1時間以上も止まってしまった。でも乗客達は車掌に文句も言わずホームでぶらぶらしたりして、「スペインってのんびりしているよなあ」と実感。

 そして到着後、先生の旧来の友人であるエミリオのお店へ。このHPや中島先生のHPで見ていたまんまのお店。そして想像していた通りに気さくで優しそうなエミリオ。ああ、スペインに来たんだなって改めて実感した。先生一家にとっては1年半振りぐらいになるのかな。エミリオとスペイン語で再会を喜び合っている先生が何だか羨ましい。傍らにいた凛ちゃんを見てエミリオが「美人になったねー!」と声をかけると、凛ちゃん、照れちゃったみたい。
 みんな時差ぼけでお疲れモードの中、凛ちゃんだけは元気でそこいらじゅうを飛び跳ねているのだけど、突然スイッチが切れたようにzzz。このぐらいの子供って、まだ自分のペース配分とか分からないんだろうなー。エミリオと別れて帰る途中、今度はエミリオの奥さんのコンチとバッタリ。とても綺麗で明るい人。スペインの人って年を取ってもみんな魅力的に見える。老いて益々盛んというか、人生を楽しんでるというか、そんな感じ。

 この日の夕方、先生が親友のフォアンヘ(ご存知、先生の悪友。今はアルメリアという所に住んでいて、会社を経営している社長である。すごい!)と会うという事で、僕達も一緒に同行させて頂きました。
 フォアンヘは大柄でかなりのいい男。一緒に来たナターシャというウクライナ人の彼女は、小柄でとても可愛らしい人。二人ともお似合いでいいなあー!僕も頑張ろうっと(何を?)!
 この後はみんなで飲んだのだけど、二人とも僕達の年齢を聞いて驚いていた。実際の年齢よりもずっと若く見えたらしい。確かに日本人は欧米人と比べると幼く見えるとはいうけれどねー。「最近、化粧のノリが悪くて」「何だか小じわが増えたみたいだわ」とお嘆きの方、スペインはいいっすよー(失礼!)。

 翌日はグラナダに来て行かない人間はいないであろう、かの有名な『アルハンブラ宮殿』へ。
 訪れるものを千夜一夜の世界へと誘う幻想的な宮殿の中でも、特に王宮にある鍾乳石飾りの天井は必見!イスラムの栄華を感じつつ、町を一望する塔に登る。乾いた風が心地よい。見上げると一面真っ青な空。本当に一点の曇りもないコバルトブルーの空なんだよ。都会のスモッグにまみれた空を見慣れているから、これにはちょっと感動した。そして、白壁の家々が空に映えて町全体を美しくしているんだよね。
 後で、香山さんがエミリオに「アンダルシア地方の家は何でみんな白いんですか?」って聞いたら、「それがアンダルシアの色なんだよ」とエミリオが答えた。その町の雰囲気とか色って、気候風土もそうだけど、そこに生きてきた人達の人生や思い入れなど、何百年と積み重ねてきたものが宿るのかなあ、なんて思ったりした。・・・ところが、グラナダの町に見とれていたせいか、僕も犬のウ○コを踏んづけてしまった。「もう片方の足でもう一度踏んづけると幸運になれるゾ!」と先生に言われたが、本当なのか?

 グラナダ滞在中、エミリオに一人の日本人留学生の女の子を紹介してもらった。彼女の名はトモちゃん。
 グラナダには3ヶ月の短期留学で来ていて、現在、エミリオのアパートに下宿中。お父さんが秋田でスペイン料理展をやっているそうで、滞在中は彼女に色々とお世話になった。
 ある日、彼女とそのお友達(かすみちゃんという女の子)二人の案内で、グラナダからバスで1時間ぐらいの小さな村、GUEJAR SIERRA(グアハ・シエラ?)に連れて行ってもらった。
 観光客(日本人なら尚更)が滅多に来ない所らしく、まるで時が止まったかのよう。道行く人に「オラッ!」と挨拶すると、向こうも「オラッ!」と笑顔で返してくれる。写真を撮りながら歩いていたら、小学生ぐらいの男の子3人が自転車で通りすぎた。声をかけたら中国人と間違えられたので、「日本人だっ!」って言ったら、珍しかったのか話し掛けてくれた。
 写真を撮って、お互いに自己紹介し、握手して別れた。後でみんなで集まった時、彼らが通りかかり、「アディオス!タカ!」と、まるで友達のように言ってくれたのが嬉しかった。なんて素直で純朴なんだろう。自分の子供時代を思い出してちょっと恥ずかしくなった。小さな村の小さな出来事だったけど、一生忘れられない。

 グラナダでは他にも色々な体験をさせてもらった。普通の人は行けない会員制のクラブ(アルハンブラ宮殿の夜景が綺麗な高台で、飲んだり食事したりする社交界みたいなもの。最高!)につれて行ってもらったり、エミリオの自宅(なんと、プール付きの豪邸!)に食事に招待してもらったり、普通のツアーの旅行では絶対に体験できない事をさせてもらった。
 エミリオには100回ありがとうを言っても言い足りないぐらい感謝している。エミリオ!本当にありがとう!ムーチャス グラッシアス!!

 ところで、エミリオの自宅では、気合を入れて海パンを持ってきたのでプールに入ったが、心臓マヒを起こしそうになって10秒で出た(本当)。だって、寒いしその前にビールやらワインやら飲みまくっているのだもの。とこらが、僕が寒さに震えている横で、トモちゃんは魚のように泳いでいる。うー、情けない・・・。でも、『グラナダに死す』にならなくて本当に良かった良かった。


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