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クエバ

クエバ クエバ クエバ
綺麗に整頓された調理場 居間 壁紙の使い方がお洒落

 パスポートを忘れてもカメラだけは忘れないのが中島家の家訓である。
 以前、台湾に行こうとしたらパスポートの期限が切れているのを税関で知らされ、慌ててビザを取って翌日再出発した貴重な経験があった。この家訓やめようかな。

 2004年10月、結婚式に出席する為にスペインに行くも、ただそれだけの為じゃ面白くない。やはり写真も撮りたい。
 ただスペインの場合、特にテーマとかは決めず、適当に散歩スナップ風に撮っていたのだが、ここら辺で一つテーマを決めてみてはどうだろうかと殊勝にも思った。
 何故ならスペインをテーマにしたのは、グループ展は別としても、個展は1993年の「MY COMPANY 2」しかやっていないからである。
 飲んだくれて大騒ぎをし、喋るとすれば下ネタばかりで、友人達からは「恥知らず!(sin verguenza)」とか「スットコドッコイ!(Granuja)」などと称賛され続けていたので、ここは一つ仇を返し・・じゃなかった、恩返しのつもりでやろうではないかという訳だ。
 テーマは「クエバ(Cueva)」。

クエバ クエバ クエバ
寝室の奥にまた寝室が 天井は低めだが広いんだな、これが。 暖かい雰囲気

 機材は、ライカR135とFUJICA6×9の2つ。
 4×5というのもあるのだが、これをやり出すとゾーンシステムになってしまいそうなのでやめた。偉大な撮影現像方法であるゾーンシステムで、プリントも綺麗であればそれにこしたことはないのだが、どうも性に合わないからだ(そこまで極めていないけど)。
 アジア小国日本のボッキ〜おやじは、ちょこまかと小型カメラで歩き回るのが似合っているだ。

 今回は最近ずっと愛用し続けている6×9の方をメインに持っていった。
 とは言ってもFUJICA6×9はレンズ交換ができず、90mmと65mmがそれぞれボディに固定されている。つまり、大きな一眼レフみたいなのを2台持ち運ぶということだ。
 これにPRESTOやTRI-X詰めて手持ちでパコパコ撮るのは若者達にお任せして、おやじは縁側に座り渋いお茶をズズッとすするような感じで、TMAX100を詰めてGiTZOの三脚で行脚だ。

クエバ 行く前にアポイントを取り、2つのクエバの撮影許可をもらった。←単なる友人の近所のお茶飲みおばちゃんの家。
 今回、日程も短く目的は結婚式に出席だから、クエバ撮影の日程は2日半ぐらいしかない。フィルムは30本もあれば足りるだろうと思っていたら甘かった。2日で撮りきってしまった。仕方がないので残りを予備の135&PRESTOで撮影。

 友人のパキータに連れられて行ったクエバ、入り口でおばちゃんが笑顔で出迎えてくれた。
 「好きな所を好きなだけ撮ってよ!」と言ってくれるのだが、これを真に受けて数時間も撮り続けていたら猟銃で撃ち殺されること必至だ。それほどスペイン人は気長ではなく、他人からの申し出においてはかなり短気とみるのが日西友好の絆を深めるコツである。
 どちらにしてもスペイン人にとって昼の2時から4時ぐらいまでの昼食は何よりも大切な行事なので、この時間内に撮影していたらまずそれだけで反日感情はヒートアップする。
 とすると10時半から1時半までか、4時から7時までのいずれかの3時間までが友好許容タイムである。

 山の中を単にくり貫いて部屋を作るので数こそたくさんあるけれど、天井の高さや室内の広さは、陥没生き埋め自殺願望者ではない限りどうしても制限がある。
 FUJICA6×9の65mm、もともとは集合写真用に作られた観があり、135に換算すれば32mm。画面がデカからついチェックが甘くなり、室内をこの65mmで覗いて初めて気付いた。「狭い〜、ダメじゃん?!」。因に6×7の50mmは、6×9の65mmと見える範囲の横幅が同じである。
 ホースマンからSW6×9プロというアオリができて45mm付きのがあるが、定価470,000円とオーマイガーッ!。
 横がダメなら縦という諺があるように(あったっけ?)、自然と縦位置カットが多くなる。こりゃぁ確実に室内は再撮モードだ(涙)。でもまた来なければならない理由ができて、ちと嬉しい。
 チェック用のプルーフプリントというのがあり通常はキャビネサイズだが、6×9はサイズが大きいのでプルーフは8×10サイズにしている。仕上がりを見たら、思ったよりもカッチョ良いのが撮れていて満足。
 いつもはACROSなのに今回は止めとけば良いのに使い慣れないTMAX100。以前に撮ったACROSでのクエバとは微妙にトーンが違うではないか(アホ懺悔)。

 「光と影の国・スペイン」と言われているように、日差しが強く家並みも反射の強い白が多いところでは、真っ白と真っ黒の強コントラストの露出撮影及びプリントが難しいと思われがちだが、乾燥しているので普通に露光と現像をしていれば、それなりにトーンが出てくれるのが嬉しい限りである。そういう意味では日本の冬の日差しの方が難しいだろう。  

2004-10
   
 2007年頃に写真展「クエバ」を開催予定
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 50歳記念展に延期
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 サーチャージが60,000円、1ユーロが160円になったので60歳までにやる予定に変更
 

クエバ クエバ クエバ
家族の写真がいっぱい ううッ、芸が細かい! 玄関まで見送ってくれた


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