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プエルトリコ
vol.1
プエルトリコ
墓地の守り神(サンファン)

 1994年、プエルトリコ政府観光局のプレスオフィスからの依頼によりカリブ海に浮かぶリゾートアイランド・プエルトリコに取材に行ってきた。

 直接依頼がくるほど著名で優秀なカメラマンじゃないので、大手出版社→中堅編集部→下請けプロダクション経由で依頼が来た。依頼の理由は、写真が上手いとかじゃなくて単なる「ラテンが好きなカメラマン」だからだと思う。何故ならその後スペインとかの取材はあったが、間違ってもイギリス、オーストラリア、アメリカとかのはないからだ。

プエルトリコ
紺碧のカリブ海(パルマス・デル・マール)
 プエルトリコと言えば、新聞とかで、アメリカでのプエルトリコ系の犯罪が取りざたされているのを良く聞くので、もしかしたら凄く怖い場所に行くのじゃないかと心配し、普段なら1000万の海外旅行保険しかかけないのに、今回はかなり奮発して1億円のを参考にしながら2000万にした。うーん、私の命は2000万か・・・。

 日本からの直行便はないのでデトロイトで1泊した。初めてのアメリカ本土上陸だったのでこれも緊張した。いきなりホテルマンがピストル出してホールドアップになるのじゃないのか、ホテル内レストランで乱射事件があるのじゃないかと、ワクワク・・じゃなくて、ドキドキ心配していたのだが、運悪くそんな素晴らしい出来事には遭遇しなかった。海外においてはずっとそのように運は悪くあって欲しいもんだ。
 部屋の風呂が壊れてもちゃーんとすぐホテルマンがやってきて修理してくれた。英検8級の私は「どうもありがとう。もう大丈夫。戻ってOK。」と言うのを「Gracias. Go home!」と言ってしまった。後で通訳を通して詫びた。

 コロンブスの発見によりスペインの植民地だったが、米西戦争に敗れてから現在までアメリカの自治領となっている。四国の半分ぐらいの大きさで形は四国と似ている。人口350万ぐらいで首都はサン・フアン(香川の丸亀あたり)。ところでプエルトリコ、訳すと「豊かな港」とかになるのだが、実はプエルトリコは首都の名前で、サン・ファンが国名になる筈だったのが何処かで取り違えてしまったそうで、実にラテンらしい。

プエルトリコ
プリマベーラホテル(リンコン)
プエルトリコ
へへへ、花だって撮るよ。
プエルトリコ
レストラン(マヤゲス)

 仕事だったので撮った写真はみーんな編集部に幽閉されてしまい、プライベートで撮った写真をちょこっと紹介。これらの写真で、プエルトリコを感じる事ができる人がいたのなら、確実にプエルトリコに行った人だけであろう。プライベートで撮った写真には、そんな他人に紹介するのにふさわしい風景などがある訳がないからだ。
プエルトリコ
広場で一休み(サンファン)
 各種名所を紹介するのはガイドブックとかにお任せして、「めったに来られないので」と云う強迫概念により、びっしりスケジュールを埋めるのが好きであるのなら、絶対のお勧めポイントがある。キッパリ!
 第二の都市であるポンセ(高知あたり)の左側あたりにある(足摺岬)、「パルゲラ」と云う小さな漁村だ。ここには、海水と真水が微妙に交わった場所じゃないと群生しない貴重なマングローブがあり、これがデカい密林となっているのが壮観だ。ここを小舟で入り込む様は、まさにインデージョーンズ!しかし、それを見るまで、マングローブとは巨大化した果物のマンゴーの事だと思っていた。

 また、ここには世界でも日本、ジャマイカ、パルゲラでしか見られない貴重な夜光虫があり、その鮮明さ、美しさ、規模ではダントツの一番。試しに指で海面に丸を描いてみれば、その形に光るのがとても神秘的。夜になって小舟でちょっと湾の入江に入るのだが、ここでプロポーズをしてNOと言う女性はいないだろう、ぐらい綺麗なのだ。それでもNOと言ったら、小舟から突き落せば良い。

 この夜光虫を写真に撮ろうとナショナルジオグラフィックのカメラマン猛者達が頑張ったのだが結局は撮れなかったそうで、もし、これを撮る事ができたのなら世界の注目を浴びるのだが、夜はワインを浴びている方が私の性に合っている。ウィ〜。

 アメリカ領だから当然英語だけれどもスペイン語も公用語。その為か、全体にラテンの臭いがプンプンのプエルトリコ。ガイドしてくれた美人のカロリーナは元気かな。出産間もないのに夜遅くまで一緒に酒飲んでディスコでも踊ってくれて「ホテルの部屋に行くエレベーターの前まで」ちゃんと付き合ってくれた。ま、これなら元気だな。うん。

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