豚の腿肉をぶら下げたバルは アンダルシアの男たちで 賑わっていた 午後二時のビアグラスから落ちる 透明な水の滴 金粉を混ぜた外光は ここまでは届かずに ホールは薄紫に霞んでいる
すりガラスのドアを開けて 入って来た者 一瞬ホールに流れる北国の冷気 あれは私を探している死神 ここまで追って来たのなら そして私を愛しているのなら もう一心同体と 私は葡萄液のグラスを上げて 細面の彼に挨拶をした