高校は埼玉の与野辺りの駅からバスで15分ぐらいのところにあって、入学式はその校舎で行われた。
私の高校には学食がなかったので、学食のある高校に通う娘が少し羨ましく、思わずメニューをパシャリ。いつかランチ定食でも食べてみたいと思うも、父兄が行く時にはたいてい学食が休みと相成りて結局食べずじまいであった。
3年になった時に学校が新校舎として移転し、さいたま新都心駅から徒歩数分で行けるようになった。よって娘は新旧の両校舎にて式を行うことができてラッキーである。
ミッション系というのがあるのなら、この高校は仏教系で、それも浄土宗。私の母校、佛教大学も浄土宗で、その学内企画の授戒会にて学んだ合掌作法や歌なども同じで、娘と一緒に同唱十念!や「月影の歌」を唄ったりして親子の会話を高校までキープすることができたようだ。
新校舎での体育館での卒業式は娘達の代が最初だ。
退屈で眠くなるようなありがちな挨拶が続きまくる式典とは違い、挨拶の人が少なくかつ話も面白く有意義で、眠気どこ吹く風、思わず聞き入ってしまった。私の高校とはエラい違いだ。
最近は、卒業式にていろいろなパフォーマンスをする高校も増えてきて、ここではクラスごとの卒業生退場時に各担任先生へのシュプレヒコールのお礼と嵐のクラッカーをやっていた。
式が終わるとそれぞれ教室に戻り、先生から順番に卒業証書を渡される。
あれま、父兄も参加OKとのことで後ろの方や廊下にて見学することができ、とてもアットホームな高校だ。一通り先生のお話が終わって解散・・ではなくて、その後にはなんと謝恩会があるので、そちらに移動だ。大学では良く聞くけど、高校でもあるのだね。
聞けば謝恩会もいろいろあって、先生と父兄のみ、先生と卒業式のみとetcで、ここは先生と卒業生、父兄のオールスタイルだ。浦和のパインズホテルで行われ、卒業生約400名、父兄400名×1.5の1,000名近くが出席したので、それなりに大きな会場が年末のアメ横状態と化していた。
各クラス編集のショートストーリービデオが上映されたり、ダンス部やブラスバンド部の演技演奏などが披露された。
美味しい料理もたくさん出て飲み物の中にはビールなんぞもあった。男子高なら元気の良い卒業生も隠れて飲んでしまうかもしれないが、ここは女子高なので淑女を通していた。しかし、女子高生400人集まると、その隠れて飲んでしまう男子校生がその倍の800人いたとしてもこれほど賑やか過ぎることにはならないだろうぐらいの場内おしゃべり歓声の連続で、まるでアリーナ最前列PAスピーカー前でAC/DCのコンサートを聞いているような感じで、難聴になってしまう先生もいるかもしれないと懸念してしまった。
それぞれの先生方と卒業生達が仲良く話をしたり記念写真を撮っていたりして、いわゆる「お礼参り」もなく、私の時のような「一早くここを去りたい」というのもなく、良い高校に入ったなぁ、と娘を羨ましくも思ったりした。
私の高校は、1つでも偏差値の高い大学に受かるべしと、旧大日本帝国陸軍予科練を彷彿させるような(未経験だけど)、理不尽と不条理に満ちあふれた教育体制の通称「巣鴨プリズン」と言われていたので、何一つ良い思い出などは残ってはおらず、娘の高校を見て改めて今更ながらに「(自分の)入る高校を間違えた」とも思った。
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