免許を取ってから自ら運転する4回目は、1泊で日光へ行った。
東北道はカミさんと一緒に毎年秋に親父の実家の白河へ行って米をもらってくる時に利用するので、いつも手前のドライブインにて朝食を採るのが常になっている。しかし、どこのサービスエリアなのかがいつも思い出せない。
ここかなぁ、と思って、娘の運転にて入った佐野サービスエリア。
洋食と和食のワンプレート朝食サービスがあったが980円。異常に高くないかい?愛知県民にだけは知られたくない価格とその内容だ。
高速道路は車の公共の乗り物に等しいところに、財布がゆるみ気味になるかもしれない観光客向け的な価格設定というのは、個人的にはかなり錯覚していて、利用者をバカにしている、とさえも思う。仕事で利用する人たちも少なくないからだ。プロのドライバー達はまず利用しないと思う。
ややブチ切れて「オレが運転するから次のへ行こう」と言って、次の小さめなサービスエリアへ行った。後で調べてみたら都賀西方パーキングエリアだった。
朝定590円とあって、「これだよ、正しい朝定だよ」。これなら愛知県民にお知らせすることができる。おばちゃんがカウンター越しに「無料だけどご飯大盛にする?」。
娘は、「とーちゃん、ほんとにこういう定番的な定食が好きだよね~」。
「朝飯にこういうリーズナブルでボリュームたっぷりの朝食を食べると、その日が幸せにならない?気分だけでも」。
娘は、食事どころではなく、高速で運転することに緊張しまくっていた。
一般道ならなんとかなるけど、高速だとちょっとしたことが大きな事故になるから怖いとのこと。教習所で何かを学んだようだ。
周辺をチェックしながら走る煩雑さでは近郊の方があぶない、と思うのだけど。
コロナ関連にていつもより空いている東北道下りだけど「とーちゃん、けっこうトラックとか車多いね」。
聞けば、山形の高速教習では、次のサービスエリアで交替する中で、見かけたのは3台のみ、それも抜いていったのが3台で、他はゼロ、全然車を見かけなかったとのこと。それで高速教習になるの?地方の免許合宿での弊害の一つかもしれない。
独身の頃は学校写真(スクールフォト)をやっていたので日光などへは通うように良く行っていた。
そこからすれば東照宮は30年振りだ。他人(娘だけど)の運転で行ったのは、小学校の修学旅行以来なので50年振り。
駐車場は1日500円で、おっ安っ!だったが、東照宮の拝観料1,300円にはおおおっ!・・世界遺産になっていのは知らなかった。おまけに幾つかの箇所が国宝とかになっていて、なるほどだからそんな拝観料になるね、と納得。
陽明門は、その時代と名称から明朝時に盛んとなった王陽明の陽明学に由来と思っていたが全然違っていた。
家康公のお墓と鳴き竜を見ても時間があったので、日光駅の周辺に戻った。もちろん娘の運転で。
駅の周辺は、道も歩道も整備されて広くなっていて綺麗な街道に様変わりしていた。その街道筋のいろいろなお店も日光街道沿いにふさわしい外観にリニューアルしていて。景観を損なわない町造りは京都に近い。
マツコの番組にも出たという駅前の「ゆばまんじゅう」は、最後にちょっと塩を振ってあり、それとアンコの甘さに合ってとても美味いとのこと。ふぅーん。ただ紙コップでのお茶も自由に飲めてなかなか良い感じ駅前商店ロータリー。
ちょっと通りを歩いていると「ゆばクレープ」と記した店があり、別腹風に頼んでいた。運転で溜まったストレスが食欲に来ているのかも。
トッピング的に乗った油で揚げた湯葉をちょっともらったが塩が振ってあって、酒の肴に良いじゃん。おばちゃんがビニール袋を出してきて500円。宿に戻ってから食べてみた。
カッパエビセンやラビオリのイメージがあって確かにそれに近いとも言えるが、ゆばに不要な油が残ってしまっていて途中でくどくなってしまった。食感はとても良いので地元名産の一つになるのには、更なる改良が必要だろうか。それともちょこっと添えるぐらいならこれでOK?
東武日光駅の隣にある駐車場は1時間300円とかで高くない?ちょっと戻ったJR日光駅隣にある駐車場は、2時間100円で適正価格だ。
駐車場を出たところでガソリンメーターが半分を差していたので、駅前のセルフスタンドで初給油。
フタは左側だからと言ったら、こういう時に限って超絶テクとなり、ピタッとスタンドに停めた。が、それじゃフタは開かないしノズルも入らないよん~。
日光での宿は、ネットで探したのだけど、大ビンゴ!だった、「登喜和旅館」。
東照宮といろは坂の中間ぐらいにあり、観光で来れば周りは何もなく真っ暗で、唯一のコンビニまで徒歩10分というロケーションでありながらも、1泊2食で9,000円ぐらいでは、どっから見ても安かろう悪かろうなのだが、その悪いのが限りなくないのにびっくり。
もっとも娘曰くの「とーちゃんの好きそうな旅館だよね」になるのかもしれないのだが。
部屋の設備とアメニティなどは、ホリデーインや東横インと同じで、使い捨てスリッパやセキュリティボックスなどもあるのにはびっくり。
料理もお仕着せ的な良くある団体旅行向けホテルの雰囲気ににているのだが、どれも丁寧に造ってあり手作り感満載で、へぇ茶わん蒸しもあれば鮎もある・・食べる前に写真撮って、さぁ食べようと思ったら、おかみさんが揚げたての天ぷらを持ってきてくれ、思わず「まだあるんだぁ!これ追加料理とかではないですよねぇ」。
9,000円の宿だから適当に先に揚げた天ぷらを置いといても誰も文句は言わないのだろうけど、私達が食堂に入るのを見計らって揚げ始めた丁寧さには敬服。
朝食では、わざわざ小型鍋にベーコンエッグが乗っている。
9,000円の宿ならハムサラダの横に卵焼きをそのまま乗せてあるのが殆どなのに・・・。塩さばがあり、二切れだけどかまぼことシューマイもあって、ただひたすらこの宿の丁寧で暖かいサービスに敬服×2+αの至り。
Wi-Fiもあり、かつ要パスワードのなので、セキュリティとして安心できるし回線も早い。
この宿にて、1泊2食9,000円の宿の概念が変わった。
すげーな、こんな宿、関東地方にまだあるんだ。探してみるもんだ。
とは言え、日光は以外と安かったりして、雰囲気優先すると2食付きで15,500円の「ホテルナチュラルガーデン日光」などもあったりもした。
若いアベックとかならこっちかもしれないけど、初老の父親+娘とかだと、名を捨てて実を取って登喜和旅館ではねーかな、と思った。特に家族連れならこっちだ。つまり子持ちの家族において良く行くファミレスが、ロイヤルホストか七輪房なら前者、サイゼリアか安楽亭なら後者になるだろう。おっ、我が家は後者だ。
一応温泉で、+入湯税150円で、引かれる温泉が温泉観光規定に満たないのか「加水」とあったが、たいていの普通の人にとっては、加水かそうでないかは見分けがつかない。取り敢えずも、温泉に浸かっているという気分だけでも良い。
思いっきり、ふざけているオチとして、泊まりなのに、娘は翌日用のコンタクトレンズ、またはメガネを忘れてきてしまった。復路の運転は全部オレ様かよ。
翌日、腹いっぱいの朝食を食べてチェックアウトして、だらだらと下を走りながら、定番の今市の「日光たまり漬け」でカミさんへのお土産を買った。すぐ高速に乗って猫パコのいる我が家へ戻った。宿を出てから我が家まで2時間半、ドライブにはちょうど良い距離だ。
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