金星の歴史をたどれば 地球の将来が分かると 探索宇宙船は飛び立った その星は濃い亜硫酸ガスに包まれていて 地球の将来に不吉な挨拶をした 何十年か何千年か後の地球の姿に 警鐘を鳴らす科学者もいるが 濃縮亜硫酸ガスの原因は 化学分析しても分からない それは愛とか思いとか哀しみとかで 金星にかかる圧力は海より重い 私の愛とか哀しみとかも 多分微粒子になって いつか地球を包む雲になるのだ 森の上に光る宵の明星を見ながら 私は微かな自分の魂の行き場所を そんな風に占っている