佛教大学文学部中国学科

【教養講座】

> 仏教教養講座
■ 再び佛大へ
 2016年2月、久しぶりに北関東支部主催の教科学習会にOBとして参加した。
学友会メンバー 懐かしい学友会などの人達がたくさんいて、自分の佛大在学中を懐かしく思っていたら、「ナカジマさん〜、教養講座がありますよ。どうですか?」と、ちょうど今春卒業してその教養講座なるものを受講する後輩が声をかけてきた。

 「私は、『京都の歴史と文化コース』で〜す」。
 「なんですか、それ?他にどんなのがあるの?」
 「『書道』とかがありますよ」
 「書道・・・済みません、他に何かないの?」
 「ナカジマさんが苦手な『仏教教養コース』もありますよ〜」。

■ 「教養講座」
 教養を深めることを目的とした生涯教育風な講座が、それぞれ1年コースで、「書道教養コース」「仏教教養コース」「京都の歴史と文化コース」の3つあり、基本受講料が45,000円。
 留年風2年目以降は毎年の在籍料が12,000円で、合計4年間、3回まで留年できる。
 単位取得や卒業云々のない単なる「修了」のみで、その修了は、受講生個々の価値観にゆだねられる。
入学セット 実際の講義演習に出席するスクーリングが1回と、指定されたテキストを読んでレポートを1つ提出するレポート履修が7つあり、「書道教養コース」は実習なので、少し割高だ。

 本当は文学部在学中に学友会活動が懐かしく、この教養講座を受講すれば学友会に復活できると思い、学生課にも確認したのだが、結局は教養講座の受講生は学友会自体には入れない身分というのが分かったのは受講料を振り込んだ後だった。
 ちゃんと「教養講座受講生でも学友会スタッフとして活動することができますか?」と聞き、それに「はい、大丈夫です」との返答だったのに・・・ちょっと詐欺だ(涙)。
入学要項 友達もできずいわゆる「ぼっち」状態で、生まれて初めて見るような難解難読固有名詞がてんこ盛りな7つの仏教学のレポートなんて書けるのだろうか、モチベーション保つのだろうか。本科のように「学士を取る」というような大義名分がどこにもない。あるのは金を払ってしまったから、だけであり、この教養講座、途中でフェードアウトしてしまったら、ゴメンチャイ〜だ。

受講証 数日後、見覚えのある入学関連書類が送られてきた。
 入学要項冊子は淡いカラーのデザインで、本文それぞれの詳細にはたいてい「詳細→ P48」などと記されていて、とても見やすく分かりやすい。文学部に入学した時には、こんな親切な冊子はなく思いっきり苦労したのを思い出した。「仏教教養コース」のSR(スクーリング)は1つ。京都大学開催は9,000円、東京開催なら14,000円。
 同封されていた受講証は、学生書とウリ二つで違うのは「学生証」が「受講証」になっているぐらいだ。3ヶ月以内の顔写真を貼ってくださいとあったが、何故か以前の学生証と同じのでもお咎めがなかった。ムサい顔はスルーされるのかもしれない。

■ 履修課目
  履修種 科目名 テキスト
1. SR ブッダの教え 『ブッダの教え』
2. R 仏教学とは何か 『仏教学概論』
3. R インド仏教の歴史 『仏教史入門』
4. R 初期仏教の思想 『原始仏教』
5. R 大乗仏教の思想 『空の理論「中観」』
6. R 中国仏教の歴史 『新中国仏教史』
7. R 日本仏教の歴史 『日本宗教史』
8. R 日本仏教の思想 『日本仏教思想史』
SR : スクーリング、R : レポート履修
 7つのリポート履修は、順番はなくどれから取っても良いのだが、時系列に、そして外堀から埋めてゆくのが良いと思ったのは、以前の文学部中国課で学んだ苦い経験からだ。
 身近な日本の仏教から学んでも、その前の中国そしてその前のインドでの仏教を知らないと、その日本の仏教への理解も難く、また、それぞれの修業法や戒律などを深く学ぶ前に、それぞれの歴史という推移を知る方がより良い、つまり最初に「原始仏教」に取り掛かり、その中でも概要、歴史、詳細と順にやり、次に「大乗仏教」、そして中国の仏教、日本の仏教だ。
 もっとも悟った人なんて希少故、その概念なんてちょちょっと本を読んでも分からないと思うけど、分かったフリでもできたら良いかな、ぐらい。
■ スクーリング
 スクーリング「ブッタの教え」は、4回開催され、その中から都合の良い日程の開催場所を1つ選べば良い。
                       
【スクーリング開講日程】2016年度
1) 5/28-29大学5/28:午後3時間、5/29:終日6時間
2) 8/1,2,3大学午前か午後の3時間ずつ
3) 11/19-20東京1)と同等時間
4) 12/7,14,21
1/11,18,25
大学6日間、各2時間

 せっかくだから大学で受けようと思い、5月のをチェックするもホテルを探すもどこも満室。
 いつものクレサンテームもお呼びでないモードの満室。7,000円ぐらいのビジネスを探すも、いずれも空いていれば20,000円とかの特別料金になっていて、この時期の京都何があるのだろうか?と言おうか、2ヶ月先までの週末はどこも満席状態である。ちょっとお洒落なカプセルホテルなどは空いていたが6,500円、いつもは4,000円ぐらいなのに・・。
 こういう通信教育のスクーリングが初めてだったら、8月の3日間も良いかもしれない。午前か午後だけの3日間なので、空いた時間は京都観光ができる。ただ私の場合、そういう半日観光とかはどうも慌ただしい感じがするので、京都開催は諦めて秋の東京のを受講しようかと思う。
■ 留年
 教養講座なので留年という言葉はないのだが、そのコース、1年では終わらないことが分かり、受講半年目で早くも留年が確定した。

 最初の仏教である「初期仏教」の科目は3つあり、最後の3つ目のレポートをやっと提出し、残るは、大乗仏教と中国仏教と日本仏教の3つだけだ、と思ったら日本のは歴史と思想の2つあり、 残りはあと4つ。4月に入学してから5ヶ月経った9月のこと。
 あと半年で終えるのがちと不安になってきて、1年で終える為の最後のレポート提出の月はいつになるのか、と大学のサポセンに電話をしたら「11月10日必着です」とのオーマイガッの返答。来年3月末日まで受講期間はあるのだけど。
 実質7ヶ月間で7つのレポートというのは、働きながらにしろ定年退職後にしろ、ちとハード過ぎる。また、1年コースと言いながらもその6割の期間しかないのは詐欺ではないのか、と遠回しにそのサポセンにちと不平を言えば、「他の通信教育カリキュラム日程に準じているので、すんましぇ〜ん」。
 中国語なら「騎虎難下」、乗りかかった船、今更やめられない、だ。教養講座の1年間の留年費は12,000円。

 ガツンと1年で終わらせようと4つ目のリポートを見たら、「大乗の『空』の理論を論述せよ。感想文や引用多用は不可」。指定テキストは文庫本でたつぷり350ページ。さらりと読む事2回、メモ取り含めて熟読2回以上。とても1ヶ月じゃ終わらない。最短で2ヶ月だ、私の場合。
 この仏教講座を受けて興味を持って本仏教学部に入った先輩がいるけど、いつも思うのは、すげーなぁ、どうしてこれで興味を持てるのだろうということ。いつも尊敬してしまう次第だ。

 1年で終わるのなら秋に渋谷でやるスクーリングに出ようと思っていたけど、留年確定なので来春の1泊での京都スクーリングが楽しみになってきた。日程延ばして大阪で遊ぼうかな、と思ったりもしているのは、中退と卒業は経験したけど、なんちゃってにしろ留年は初めてなので、これはこれで楽しもうというところである。

 法的には上手くクリアーしているのだと思うけど、1年コースと記してあるのに、その1年で受講修了させる為の実質期間が7ヶ月というのは、ジャロに問い合わせても良いコトガラかもしれない。

■ 中退
 期間は一年とあるのに実質7ヶ月しかない事にやや憮然としながらも、残り留年してやるか、と思いながら学習を続けていた12月中旬、常総支部主催の教科学習会に参加した。
 懇親会にも出席したら教養講座を受講した後輩がけっこういて、いろいろ情報をもらった。
 教養講座は単位云々がないのでレポートは絶対に再提出の「D」はないとのこと。やった、ええじゃない。
 別な後輩に聞くと、留年すると手続きが済むまでその間はレポートを受け付けてくれない、とのこと。え?
  つまり、4月に受講を開始した場合、11月が締め切りなので、12月以降の提出は受け付けてくれないようだ。年明けの2月ぐらいに継続するかどうかのお知らせがあり、継続申請をした後に提出が認められるらしい・・、もしかしたら留年再開の5月以降受付可かもしれない。
  もっとも留年とその仕組みが分かっていて再提出のD評価もないのなら、そのまま学習を進め先にレポートだけ作成しておいて、その期日になったら提出すれば良いという方法もある。しかし何から何まで学校の事務処理都合になっているシステムに嫌気がさしてしまい、レポート3つとスクーリング1つを残し中退してしまった。

退学通知書  実質7ヶ月の1年コースぴったりで終えたOBなどは、再提出がない事が事前に分かっていたらしく、内容とかデキを無視してとにかく書いて提出しまくったとのこと。しかし、2年かかって修了というOBが、だんぜん多かった。
  学習期間は7ヶ月だけど、表面上の年度だけは1年あるので、3月31日付けにて「修業年限をもって退学とする」と記された退学通知書が送られてきたが、やはりこの教養講座の「1年コース」というのは、どっから見ても無理がある。