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今回も以前と同じ教会かな、と思いきや市役所で挙式とのこと。
いろいろ聞いてみると、
「神父の話って長いだろう、早くったって1時間はかかるぞ。市役所なら30分で終わるからな。」
「いやいや、裁判所ならもっと早いぞ。サインして終わりだ。数分もかからんよ〜。」
「いずれにしろ神父の話は長くて飽きるからなぁ。今回市役所でほんと良かったよ・・。」
かつてイベリア半島を席巻していたアラブ勢力をレコンキスタにて駆逐したカトリック王国のご当地に住む人々の言葉とは思えない。
時代も変れば様式も多様化するということか、教会は神前、市役所は人前、裁判所は単に法的な婚姻届けを出すだけという3パターンがスペインにはあるようだ。もっとも「何もしない」というのを加えれば4パターンにはなるが。
式の始まる30分ぐらい前に市役所前広場に来てみれば、いろいろな招待客、または私から見れば招待客ではないようないでたちの招待客がたくさん集まっていた。
女性は背中パックリや腰からのスリットスカートなどの華やかなドレスに身をまとい、本能的に「ど・れ・に・しようかな・・・」なんて目で選んでしまう、まさに美しさが美しさを着ているようだった。
まずスタイルが良い。引っ込むべきところは引っ込んでいるし出ているところはタイミング良くちゃんと出ている。黒い瞳のはっきりとした目元立ちが何よりもエキゾチックだ。一夫二妻制に日本はならないだろうか?
しかし妙齢のご夫人達も同様な背中パックリなどの極薄のドレスなどで着飾っているのだが、かなり昔に購入したモノなのか、キングサイズの人がベビーサイズの服を着ているような感じで、薄いシルク生地がぴったりと脂肪皮膚質に貼り付いていて、その隙間には1立方ミリメートルの空気だって存在していない。
また、肌の露出している個所は、シルク生地で押された脂肪があちらこちらにラクダのコブ風にハミ出していて、さながら紐で縛られた焼き豚を彷彿させる。一度着たその服はハサミとかで切らない限り着脱は不可能と思われた。
男性の方は、冠婚葬祭にはネクタイ着用という慣例がないのかノーネクタイが多く、またYシャツや背広も柄物でロジャーズかダイクマで買ってきたような素材のが目に付き、思わず「クリーニングに出せよな」。靴を見みると「それって、スニーカー?」。
いずれにしろ、それなりの婚礼服を着ているのは新郎新婦とその両親達ぐらいで、後はそれほど気にしないスタイルなのだろう。かどうか分からないけど、そのようにしか見えないのだった。
それでも大半はきちっとそれなりのネクタイと背広で決めているのがスペインの男達だ。
これがくやしいくらいにカッチョ良いのだな!大したことない田舎のあんちゃんなんだけど、着こなしやしぐさなど、やはり背広は欧米で生まれたモノなのだろう、違和感なく決まりすぎている羨望観があり、極東の小国日本からやってきたアジア人おじさんは自己嫌悪だ。
一応は「紳士服のサム」で買った黒のダブルの礼服、それに白いネクタイをしていて、気分的には決めてはいるつもりの私も、彼らと比較してみれば、どう見たって「黒い背広を着た北京原人」にしか見えなかったであろう。