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市役所婚礼担当者の挨拶で始まったのだが、いきなり新郎の名前を呼び間違えてしまった。
これが日本だと厳粛かつ尊厳なる祝言の場における失態は、即切腹と決まっているのだが(いつの話だ)、こちらスペインはおおらかでみんなクスクス・・・。
「あの人、いきなり間違えたよね〜。ははは」と後でみんなで笑い話。変に堅苦しくないのは羨ましい。日本だとどうしてもこういうところは生真面目になりすぎるところがあるからなぁ。
担当者の話もあっと言う間に終わり、みんなの前で新郎新婦がワインで乾杯し署名をする、まさに人前式。そして、先のスペイン人が言った通り、ぴったり30分で終わった。
また、みんなゾロゾロとゾンビのように外に出てみれば、入りきれなかった大勢の人たちが集まっていて、ライスシャワーが待機していた。中にはザルごとぶちまける新郎の友人もいたりして日本と同様お茶目だ。
市役所のテラスなどで新郎新婦達の婚礼撮影が行われていて、それらを見上げるようにみんなが市役所広場に集まっている。
ふむふむスペインのカメラマンはどのように撮影するのかな、と興味深く見ていたら、あちらこちらからと声をかけられ、久しぶりの再会の友人も多かった。
昔は良く飲んだけど体調を崩し自宅にこもりっきりでここ数年ずっと会っていなかった人、またはマドリッドの病院に長期入院していた人、昔良く通っていたけど今は潰れてしまったバルの女主人、グラナダに赴任していたけど戻ってきていた人など、さながらグァディックス中学校の同窓会って感じで旧知を温めることができた。
私もそうだけど時代経過に比例してみんな老けていた。歳取ったね、アミーゴ達よ。
繁華街や中心地には大勢の人たちを収容する施設や会場レストランというのが少ないのか、結婚披露宴に限らず、家族が勢ぞろいする宴などは、みんな郊外の大きなレストランで行われるようだ。
果たして今回も車で15分ぐらい走った郊外にあると言う。
招待状には、8時半始まりと記されていた。時計を見たら8時を過ぎていた。グッドタイミングではないか、居合わせた親戚の車で一路レストラン、宴会場までひとっ走り〜!
何もない大平原に突如現れた、大型バス御用達の大型ドライブインぐらいのレストラン。広さで言えば、ファミレス4つ分ぐらいか。
8時半ちょっと前に着いたが、まだ数人しか来ていないし、新郎新婦もいない。定刻通りに始まるのだろうか?
時間を持て余すこと十数分、お店の人が案内してくれたのはレストラン脇にある大きな庭園。そこで飲み物と前菜が出された。ここで時間を潰すのは酒があるから良いのだけれども9時を過ぎている。あの「8時半始まり」というのは、この庭園の門を開ける時間だったのか?
やっと遅れ組が到着し、みんなが揃ったところで半地下にある宴会場の扉が開いた。9時半を過ぎているけど、いったい何時から始まるのだろう。この宴会の後に別な用事がある訳でもないので、どうても良いと言えば良いのだが、日本人の習性か、つい時間というのを気にしてしまうのが悲しい。
ダウンライトに照らされた淡いピンク色の長い廊下を歩いたその先に、雄大にも広がるような大きな宴会場が私たちを待っていた。学校の体育館より広いぞ。
その入り口に座席表が貼ってあった。
今度は先着順じゃなくて予約制なのね。ちょっと安心して自分の名前を探すのだが・・・ない、何処にもない。
あれ、私って招待されていたよね?つい隣の親戚家族に聞いてしまった。
「No sé\;, Tal vez....」おいおい、それじゃ「知らないけど、たぶん、おそらく」という意味じゃないか。せめて「招待状もらったんだろ、それじゃ確実に招待されているよ。安心しな。この座席表がまぬけなだけさ」とか、なぐさめでも良いから言ってくれよ〜。
また、席なしオールスタンディングか?大ピンチ。