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神の下ではみな平等のカトリックにおいて、仲人や主賓などの概念はなく、よって挨拶や出席者による出し物もない。あるとすれば乾杯の音頭だが、取り立てて偉い人とかではなく、今回は新郎の友人がやっていた。
お色直しも当然なく、乾杯後はひたすら食べて飲んでおしゃべりをし、あっちこっち席を変りいろいろな人と話をするのは昨今の日本の披露宴と同じだ。
自分の才能のなさを露呈してしまうのをいとまない自虐的行為であるカラオケがないスペインの披露宴は何よりも素晴らしい。
唯一あるのはケーキカットだ。
ただし日本のように見てくれは超高層だが中身はイミテーションで唯一カット口だけが本物というさもありなん風ではなく、ちゃんとしたオーダーメイドの本物だ。超高層ではないが新聞紙を広げたぐらいの大きさはある。ここにロウソクを立て、新婦が誕生日ケーキよろしく、一気に吹き消すのがこのセレモニーだ。
消す時はそれこそみんな大はしゃぎで、新郎新婦をはやし立てるのだが、「カメラをお持ちの方はシャッターチャンスを逃さないように前に出て・・」なんてアナウンスもなく、カメラでそれを撮ろうとしていたのは2人ぐらいしかいなかったのがスペインらしい。
9時半過ぎに始まった披露宴も沢山の料理が出尽くし最後のコーヒーが出た頃にはとうに12時を過ぎていた。
もう終わりかなと思って隣の彼に聞いてみた。
「何時頃終わるの?」
「さぁ・・?」
え、披露宴とかの時間って決まっていないのか?日本だとだいたい2時間半が普通だけどな。
と言っているうちに、横のステージに突如バンドが現われて演奏を始めたと思ったら、今まで座っていた沢山の人が立ちあがってステージ前で踊り始めた。老若男女入り乱れてのダンス大会が始まった訳だ。
飲んだり歌ったりとそれから2時間が過ぎた深夜の2時半。
1/3ぐらいは帰ったようだけど、残りは変らず飲んで踊ってが続いている。つまり200人はいるということだ。明日は日曜日だから良いとしても、じーちゃんやばーちゃんもまだいる。健康、大丈夫なのか。
私は3時に辞した
この披露宴もそうだが、スペインのあらゆるパーティは何時に始まっても終わるのは明け方である、と言い切れるかもしれない。
終わりの頃になると、新郎新婦がみんなに小さな花束を渡すのではなく、葉巻を渡すのが結婚式の慣習みたいだ。もらったらその場でみんなでアル・カポネのようにプハァ〜。
以前の結婚式も葉巻を配っていたが、スペイン人と結婚式において何か重要な意味合いがあるように思えるこの葉巻。酔っぱらってではないが、時々肝心なことを聞き忘れてしまう。そう、次に言った時には是非聞いてみようというやつだ。