![]() |
![]() |
【その1】 【その2】 【その3】 【その4】 |
40代以上のおじさんなら「エアーチェック」をリアルタイムとして知っているだろう。
DJがイントロで前振りをするAM曲とは違い、一切喋りとかが入らないのがFM曲で、レコードが高価だった時代には、これをテープで録音するのが流行った。この録音をエアーチェックと呼んでいた。
中学3年の時、毎週火曜日夜22時から30分、FM-NHKにて「フォルクローレの世界」というのをやっていた。
こんなに情緒あふれる音楽があったんだ! とカルチャーショックがあり(単なる浅薄から)、毎週かかさず録音していたのが、そのエアーチャックの始まりだった。
70年代前半、オープンリールからカセットテープに移行する時期で、また、一体型のオーディオ装置から、プレーヤー・プリアンプ・パワーアンプなどと別々に揃えてゆく「コンポ」が流行っていた。
少ない小遣いとお年玉とかでかろうじてのコンポを買うことができたけど、高校生にとってはまだレコードは高価で、当時でも2,200円もした(今だと6,000円ぐらい)。
結局は友達からレコードを借りてテープにダビングというのが一般的で、聴きたかった曲をテープに録音できただけで嬉しくて、キズとかで音が飛んだのなどは気にもせず、そういうのが1つぐらいあるのがむしろ普通だった。
もっともキズとかが非常に気になる愛好家は、まず他人にレコードなんて貸さない。
そうやって集めたテープが560本になっていた。
10数年前、MDが流行り、これにダビングしようかという計画があった。MDプレーヤーとMDメディアを560本分の予算が150,000円。
グットタイミングだと思ったのだが、ちょうど仕事とかが忙しく、まだ気ままな独身だったというのもあり、その計画はフェードアウトした。今思うと、とん挫して良かった。現在の、CDRの方がもっと楽で簡単で安価だからだ。まさに万事塞翁が馬。
テープ560本は、だいたい小型冷蔵庫ぐらいあり、それがドカ〜ンと意味もなく部屋を占有していれば(家族からすれば)確かに邪魔だよな〜。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
ところで、iPodが流行っている。
歩きながら音楽を聴く習慣がないので、可愛いとは思っていたけど完全に対象外だった。
しかし、いろいろ聞いたり調べてみると、FM電波で飛ばしてカーオーディオになることが分かった。
車に乗る度に何枚もCDを運ばなければならないとか、それなりに編集した音楽をCDRに焼き付ける手間など一切が不要となり、iPodさえ持ち込めば、数千曲の音楽がいつでも好きなところから車内で聴くことができるという、なんと素晴らしいことか!
前述のカセットテープ → CDR(保存用) → iPod。まさにベストコンビネーションだ。何を迷う? 機は熟した!
これを逃すと、おそらく500余のテープはそのまま保存もなく燃えないゴミと化してしまうので、2004年の1月、意を決した。
意を決したのは良いが、なにをどうやればカセットからCDRにコピーできるのかが全く分からない。いろいろ調べてやり始めたのが1ヶ月後。
アイデアとか発想のソフトは良いのだけど、それを現実化する為の技術的なハードに弱いのがボッキ〜中島。それでも愛しのiPodへの(凝りないマニアックな)道を歩き始めた。