並べられた魚を中卸人達が喧噪の中でチェックしているのだが、競りの時間が間近になってくると、その喧噪の中にある共通の緊張感が漂ってきて、何も知らぬ私も競りがいよいよ始まる気配を感じた。 沢山の中卸人の中でセリをするので、取り仕切る人の声はみんな野太い。証券取引所のように上に挙げた指の形で一斉にセリが始まるのだが、仲卸人の声よりも目を見て決めるのがポイントで、帽子の前に掛けてあるプレートが中卸人登録番号をチェックしてその魚の競りは終わる。各コーナー数分もかからず呪文のような掛け声の中、たくさんの大きなマグロ達がさばかれて行った。