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タルゴにてグラナダを早朝に経ち、午後2時にマドリッドに着いた。荷物をそこそこにホテルに置いて、いざ目指すはプラドへ。
入場料を払おうと思ったら、ラッキーな事に土曜日の午後からは無料とのこと。持ち込み荷物においては、ペットボトルなどの水類はロッカーに入れなければならず、薬品等を作品にぶちまけるトラブル防止だろう。それならナイフとかもと思うのだけど、これはノーチェックだったように見えた。
借り物だろうが館所有だろうが、日本の美術館の場合は、作品はガラス張りでその前にロープも張り、尚且つ「立ち止まらないでくださーい」などのアナウンスもあったりで、立ち止まらなくてどうして作品を見ることができるんだ?という苛立ちでの鑑賞を余儀なくされるのが日本スタイルとすれば、こちらプラドは、事後の処罰は別として、その気になれば、ナイフで切り裂くことができるくらい無防備だ。触れることは論外としても、じっくりと近寄ったりいろいろな角度から自由に見ることができ、そんな接し方によって、スペイン人の美意識が培われてゆくのだろうと思った。
全部見るのに最低3日はかかると言われているけど、絵画においても浅薄な私が見る絵はいつも決っている。ベラスケスの「ラス・メニーナス」、「マルガリータ」、ゴヤの「カルロス4世と家族達」。カミさんは、「マルガリータ」とアンジェリコの「受胎告知」。
120円(1ユーロ)にて小さな写真入りの解説本が売っていて、娘は終始それを見ながら、この絵が好きだとか、これも好きとか騒いでいる。目の前に本物が飾られていようとも。
どうやら、ベラスケスの「マリアーナ」が一番気に入ったようだ。