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交通事情 曇天台北 5-2

 台湾の交通事情においては「定員」と云う概念がないのか、当たり前のように普通のスクーターに5人ぐらい乗せて走っているのを良く見かけ、多くの台湾人の趣味はサーカスじゃないかと思ったぐらいだ。
 おそらく乗れるだけの人数が定員なのかもしれないし、最高で15人というのを見かけたが、確かにそれはテレビで放映されていたサーカスショーだった。
 もし8人でタクシーに乗ったら、屋根とかトランクは当たり前で、それでも足りなかったらエンジンルームになる可能性もあるのだが、台湾を訪れる外国からの観光客は1グループ4人と法令化されているのか、そのような光景はまだ見たことがない。

 いろいろとトラブルの多かった台湾のタクシーも数年前からアメリカのイエローキャブ風に全車黄色のタクシーとなり安全になった。
 日本だと興味のない話題でやたら話かける運転手とかを煩わしく思うのだが、台湾ではお互い言葉が通じないので不要な気遣いもなく、言葉が通じない素晴らしさを感じたのは、この時ぐらいだけだった。

 バスに乗ると、サンダル履きのTシャツ姿のあんちゃんが運転手だったりして、バス停に停まる前にドアが開いてしまう時もあり、日本ならその場で取っ組み合いのケンカとなってしまうのだが、誰も文句も言わず平然としいて、台湾人気質の懐の広さを感じた。

 大陸の中国や日本と違い、自転車に乗っているのは子供ぐらいなのが台湾。
 よってやたらバイクが多く、車の合間を縦横無尽に無数のバイクが走り過ぎてゆく様は、日本の暴走族が原点ではないかと推測され、左右確認だけではなく、前後も確認し、最後は上と下も見ないと何処からバイクが来るのか分からず、レンタカーを借りて台湾を楽しむのなら、まずゲームセンターのカーレースでハイスコアを出すぐらいの腕を身に付けてからの方が良さそうに思えた。

 若者はどちらかと言うと、バイクよりもスクーターが多く、その後に彼女を乗せて、喫茶店や公園へ行ったりするのがデートのステイタスらしい。
 確かに日本のように便座型のヨーロピアンスタイルのバイクに股を開いてのタンデムよりも、横座りでの方がスマートで、台湾のスクーター・アベックは見ていて微笑ましかった。特にミニスカートの女性のタンデム。
 脇見運転での事故も多そうなのが台湾交通事情。