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曇天台北 5-3 |
昔、日本が統治していた事があるし〜、同じ島国だし〜、沖縄とも近いし〜、だから食べ物も近いだろうと、トンでもない勘違いをして初めて台湾を訪れ、初めて食事した時、「どれも変な臭いがすんぞ。腐ってんじゃないのかぁ?」と思った。
日本では使われない「香菜」などを使っていて、殆どのアジア諸国では当たり前のように調理で使われているのを後で知り、台湾を足掛かりにアジア諸国制覇の夢をその場で断念した。
腹は減っても料理が受け付けないので、とうとうマクドナルドに入った。
当然ながらメニューはどう推理しても予想のつかない漢字の羅列で、仕方がないので上から順番に3つ頼んだら、ハンバーガー、チーズバーガー、ビッグマックが出てきてホッとした。
実はドリンクコーナーで、コーラ、オレンジジュース、コーヒーの3つが出てきたらどうしようかと思っていたからだ。
それでも精神的に満たされず、とぼとぼとうなだれながら写真を撮っていると、暗闇に一条の光が差し込むように目の前に現われたのが、救世主「スカイラーク」。
これなら写真付きのメニューがあるから不安もないし、日本風な飯を喰えるぞと、枯渇した砂漠を水を求めて歩き、やっとのことでオアシスにたどり着いた時のように、座るやいなや目玉焼き付きハンバーグを注文した。
見てくれはちょっと違うけど色合いは懐かしく、久し振りの恋人再会って感じで食べた・・・うううううッ、香菜で味付けしたあった。
と言うのは、先の写真展「台北発東京」や「差異視点」の頃の10年前の話で、それから幾度と訪れる度に食べていたら気にならなくなり、最近では8割ぐらい食べられ、なんと美味いとも感じられるようになり、「とにかく食べ続ければ美食」を立証した。
そんな中で最初から、これは美味い!と思ったのは「楊桃汁(ヤンタォジュゥ)」といスターフルーツの生ジュース。
スモモ味に薬草の香り漂う清涼感があり、台湾ではもっともポピュラーな飲み物だと思われるのだが、台湾に行った事のある日本人など十数人に意見を求めると殆どが「うげげげーーっ!!」などの絶賛好評を得た。
一番良心的な意見だったのは、
「結構、美味いじゃないですかぁ!」
「だよね。私もお代わりするけど、どお?」
「いや・・・もう、お腹一杯です。」
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