九份
翌日は汽車に乗って九份へ。快速みたいな莒光で59元(160円)。
朝方ダラダラしていたので10時14分の区間車に乗り約45分後の11時02分、瑞芳駅に着いた。
瑞芳駅常駐日本語ボランティアガイドの王さんに挨拶しようと思ったらどこにもいなかった。帰りに見かけたのは見知らぬおばちゃん。聞いてみたら先ほど帰られた、とのこと。今回はタイミング悪かった。
駅前広場には見かけぬ大きなテントが設置してあり表に回ってみると、誰かの葬式。こんな場所で盛大にやるのでこの辺の名士とかだ。みんな黒服の胸にピンクの花を着けていたので、これが台湾式の葬式スタイルなのだろうか。
ここから九份へ行くバスに乗るのは簡単で、駅前のロータリー先の道角がバス停だ。
九份まで15元(40円)だが、さすがに帰りは歩き疲れたのかマスターの強い要望で180元(490円)のタクシーで戻った。
台湾のバスは市外巡回用と観光用を区別しないので運が良いとゴージャスなソファ、運が悪いとサスペンションのないのになる。
乗ったバスは中古の観光用で改造したのかライトボックスが天井に並び、新北市(基隆、九份周辺)の観光写真が表示されていた。日本では見かけない観光宣伝方式で車窓の景色よりもこちらをずっと見ていた。
バス停を降りアメ横みたいな小さなお店が建ち並ぶ細い商店街通りを歩く。
いつもの店にて丸いカマボコを焼いた一串25元(70円)の「燒丸子」を買い、その隣で大好きな楊桃汁を買おうとしたら「ないよ〜」。
「ちょっと待ってよ、九份に来る度に必ずここで楊桃汁を飲んでいるんだよ」
「あぁ、以前はあったけど今はないのだよ、ごめん〜」
「この辺、どこで売っているか知っている?」
「コンビニとかじゃないかなぁ」
・・台湾のコンビニで楊桃汁を売っているのを見たことないよ・・
九份は久しぶりで、一昨年2010年12月以来だからほぼ1年振り。
小さな坂を下る途中にあった「観光サビース」と日本語で記された看板も「観光サービス」と修正されていた。
降り切ったところに小さな小さな広場がある、私は勝手に九份のヘソと呼んでいる。
初めて九份に来た1995年以来、その広場の横には昔の映画館の廃虚がずっとあったのだが、新たに「昇平劇場」が復興完成していた。昔の様子を再現し、当時の飲食類を陳列している模擬売店などもあった。
宮崎駿監督が九份に来てインスパイアーされて「千と千尋の神隠し」ができたのは有名だけど、かの湯屋がここをモデルにしたのだろうか?湯屋と記されたお店が階段途中にできていた。たまに訪れて何かが変わっていたりするのを見るのは楽しいものだ。
食事はその近くにある茶房レストラン「天空之城」に行った。
角煮のセットを頼んだ。斜面に建っているのでテラスから見る眺めは素晴らしく、デザートのお茶を飲みながらのんびりくつろいだ。
しかしセットが480元(1,300円)というのは青山六本木価格で思いっきり高いぞ。一昨年食べた時は290元(800円)だったのに値上がりしたのか?
同行のマスターは食事は要らないと言いお茶とデザートだけを食べていた。どうやら中華料理を食べたかったみたいだ。台湾に来たのだから中華料理ではなく台湾料理を望んでいると思っていたのだけど全くの勘違い〜。マスター、ごめん。以降、マスターのお好みに合わせた。
タクシーで瑞芳駅に戻り3時過ぎの列車で台北へ戻る。それなりに疲れたのか車中マスター爆睡〜。
淡水へ行く夜まで時間があったので、台北駅で別れマスターはタクシーでホテルへ、私は家族へのお土産の買い出し。
昨年夏に娘が感動した「我的美麗日記」という台湾製のパック化粧品を前回同様台北駅地下街の台湾風マツキヨで買う。10パック1箱で200元(540円)だけど、特別セットでハンドクリームがついて20パック430元(1,170円)のを買った。
日本では売っていないけど、日本のネット内では大人気らしい。ま、中国製じゃなくて台湾製だから問題ないでしょ。
いつもなら捷運民権西路駅で降りてテクテク15分ぐらい歩いて行った林華泰茶行も、新たな捷運が開通し、民権西路駅で乗り換えて一つ目の「大橋頭」で降りると近い・・なんだかんだ数分かかったけど。
店に入ると背中を叩かれて「久しぶりだねぇ〜」、いつも良く見る店の二代目か番頭のあんちゃんだ。覚えていてくれて嬉し・・・いや外人とは言え、年に2回ぐらい来てれば覚えられるだろう。
「あれま、昨年の8月以来だからちょうど半年振りだね。日本でもここのお店は有名だよ〜」。
中国語で「一斤」と言えば500gだけど、台湾だと何故か600g。スーツケースに上手く収めるために「半斤ずつの袋に詰めてね」。4斤(2.4kg)を8袋に分けてもらう。
帰りがけにそのあんちゃんが「隣にできたお茶屋さんは私のところとは全然関係ないから無視してくださいね〜」。
良く分からず大きな黄色い林華泰茶行と記してある袋を持って出てみれば確かに似たようなお店があって、お店の人達がチラシを配っていた。おお、日本語で記してあるよ。
林華泰茶行で40年ぐらい仕事をした人が家族総出で店を立ち上げたようだけど、その林華泰茶行の隣にあり、かつ屋号が「林森茂茶行」というのはどっから見ても円満暖簾分けではない感じだ。
|