士林夜市
シャワーを浴びて一服したら少し落ち着いた。
「まだ、時間があるからもう一度淡水に行って、その英専路にも行ってみようか!」
何回も捷運MRTに乗っているので、娘にも悠遊カード(台湾のパスモ)を買ってやった。100元のデポジット+運賃100元分で530円(200元)、コンビニとかで気軽に買える。
あとどのくらい残っているのかは、切符売り場の隣とかにある専用機でチェックする、と「地球の歩き方」に記されていたけど、なんのことはない「とーちゃん、入る時の改札ゲートに残金表示されるよ〜」、全然気付かなかった・・。
おまけに悠遊カード使うと20%割引になることも気付かなかった。
淡水往復で265円(100元)が210円(80元)になる。パスモも見習って欲しいもんだ。
1日に2度も淡水に来るかぁ?と思いながら来てしまった。
細かい場所が分からないので駅のおばちゃんに聞いたら、なんだ、英専路は駅前の道向こうから入る細い道だった。時間は5時過ぎ、悪くない時間だ。
行ってみたら、おい、何もないよ、どうなっているのだ?確かに幾つか屋台や店は開いていたけど全然賑やかではない。200mぐらい歩いたけど景色は変わらない・・・何かを間違えたのか?
「じゃ、士林夜市にまた行くかぁ?!」
昨日の下見があったので今日はゆとりを持って見ることができる、と思っていた。
結果的に娘にとってはこの士林夜市がベストスポットのようで、「明日はここには来ないからね」と言ったのもあってか、かなり買いまくり、そしてかなり歩き回った。
私は付き添いなのでひたすら付いてゆくだけだ。娘の好む店は個人商店等が多く、たいていが夜市みたいな道沿いにあるので、娘が店内で物色している時は外で一服できるのが良かった。
これがデパートの中とかだと当然ちょっと離れて一服などはできないので、1時間保たずにブチキレていたかもしれない。
因に台湾の禁煙法は、自宅等以外の屋内は全面禁煙、変わりに屋外なら何処で吸っても良い。分かりやすい。
それでも、やっと火をつけたとたんに「とーちゃん、とーちゃん、ちょっと・・」とか呼び出しが多く、あまりゆっくりとタバコを吸えた事がなかった。吸えないよりはマシなんだけど。
「なんだよ?値札があるからその分の金を払えば喋れなくても問題ないでしょ?」
「でも、店員のおねーさんが何か喋っているんだよぉ」
聞いてみると、2着で800円(300元)のところを娘は1着だけを買おうとしている、またはバーゲン品を値札通りに多めに払おうとしているなどなど。
「そうそう、7折とか折というのは割引という意味なんだよ」
「じゃ、7割引き?」
「んな訳ねーだろがっ、そりゃぁ大陸だよ。3割引きの意味ね」
「大陸ってなに?」
「中華人民共和国のこと、学校で習ったでしょ。ここは中華民国、日本と同じ民主主義の国ね」
「ここは、台湾じゃないの?」
「うむ・・大人になったら分かるよ。そうそう2件の件は、2着という意味だよ」
その後、娘は、ありがとう、幾ら、要らない、これを買う、などの中国語をメモしてカタコトで喋っていた。国際感覚が身に付いたようでイイじゃん〜。
2時間以上ずっと歩いていたのでさすがに疲れ果ててきた。そんな時にスタンド喫茶を見つけた。
目の前に小さなテーブルがあり、かつその上には灰皿があった。思わず「おばちゃん、コーヒーを頼んだら、ここに座ってコーヒーを飲みながらタバコを吸っても良いの?」
「どーぞ、どーぞ」、おお、砂漠のオアシスだ。台湾に来て1日半、初めて座ってゆっくりタバコを吸うことができた。幸せ〜。
娘が、タピオカジュースがるよ。なんで分かるんだ?振り向いたら日本語を記したメニュー看板があった。ほぉ〜。
小カップのホットコーヒーを頼んだら、おばちゃんはマクドナルドの大カップぐらいの大きさのに入れようとするから、それじゃなくて別の、と言ったらもっとデカいカップを持ってきた。
台湾の大盛りスタイルを忘れていた。さすがに大カップのホットコーヒーじゃ飲みきれそうにないので「砂糖抜きね」をちゃんと言ってアイスコーヒーにしてもらった。
普通の中国語だと、4はスーで、10はシィと発音するが、台湾はどちらもスー。
イントネーションで聞き分けるのだけど、さすがに続けて言われると分からない。スースー。14なのか40なのか?取り敢えず40元だしてみる。
娘の買い方はすっきりしていて良い。
せっかく来たのだから風にあれやこれやダラダラと物色するのではなく、パパッと見て気に入ったのがなければネクスト。予算的にちょっと高目なモノをどうしようかと迷う時も数秒考えただけで、買わない、買う。これは端で見ていても気持ちが良い。
いつまでもダラダラとうーん??なんて迷っていたら、別な意味でブチキレていたかもしれない。
時計は8時半。まだ時間はあるけど、どこで飯を喰おうか?
「西門町のサイゼリアへ行こうよ」
「西門町??・・でも、ワインがあったねぇ。じゃ、少し見たらサイゼリアへ行こう」
この「少し見たら」というのが実は時間がかかり、まっすぐ駅に向かうのではなくて、あちらこちら寄りながらだから西門町に着いたのは10時過ぎ。
1日に2度西門町に来るかぁ?と思いながら来てしまった。
統治時代の建築物「西門紅楼」をちょっと見てからサイゼリアへ。娘はドリンクバーとグラタンを頼んだらそれはドリアだった。私はピザ、ほうれん草炒め、ポテトフライ、それに赤ワイン。
ワインを持ってきたおねーさんに「飲みきれなかったら持って帰っても良い?」と聞いたら「OKですよ」。サイゼリアなのに何故にしてチリワイン?などと深く考えてはいけない。台湾で気軽にワインが飲める機会ってそうそうないからだ。
さすがに1本は飲みきれず1/4ぐらい残ったので、おねーさんに「持って帰るからコルク栓1つくれない」、と聞いたら「没有(ないよ〜)」・・「いや、そうじゃなくって、このワインに蓋をするやつ。さっき抜いたからあるでしょ」。
「ちょっとお待ちください」と行ってしまい、しばらくして戻ってきて「済みません、やはりありません」。
なろ〜、継ぎ足しだな。
ワインの味は「さくら水産ワイン」よりは美味しい数百円のテーブルワインぐらい。
伝票を見たらズラズラと記されていて「娘、計算合っている?」、パパッと見て「合っているよ」。
ソロバンをやっていたので、こういう計算は頼もしい。
台湾元に2.66かけると日本円だけど、服を買う時以外は3かけて1割引きしていたようだ。
時計を見たら11時半、さすがに酔っぱらったので「娘、タクシーで帰ろう・・・」。
渋谷同様、この時間でも若い人たちで街はあふれていた。でも、これだけいても飲んでいるのは数人もいないだろう、もしかしたら私だけ?
台湾人は殆ど飲まない、というのは今でも変わりないけど、飲む時はこういう場所じゃなくてそういう場所に行くのだ、というのが最近少しずつ分かってきた。そういう場所って何処なんだろう?
「とーちゃん、車道を歩いちゃあぶないよ」と服を引っ張られる。記憶はあるけど、一日中歩き回った後にワインを飲んだから酔いも早い。
タクシーに乗って、あれ、何処へ行くんだっけ?大欣ホテルじゃないしなぁ。
万が一はぐれても自力でホテルに戻れるように地図やメモをプリントしたのを娘に渡しておいたので「ホテル名、何だっけ?」
「マイホテルだよ」。
運転手は「中山の近く?知らないねぇ」、最近できたからなぁ。「林森北路近くの中華レストラン青葉は?」、「知らないねぇ」、青葉、斜陽かよ?
「じゃ、中山北路の中山警察署の手前辺りで停めて〜」。
本当はよりちゃんと説明してホテルの前にタクシーを停めたかったのだけど、今の中国語レベルだとここまでだ。
根性でシャワーを浴びたら1時ちょっと前、さすがに疲れてそのままZzzzzz....。