歯の抜けた老婆が笑う 小春日和はそんな日 暖かいが頼り無く 背後で病葉が音も無く散る こんな日には白いシャツに グレーのチョッキを着て コーヒーカップ片手に 老婆の話をきいてやろう 老婆の笑いはコーヒーに溢れて 誰かが背後から手を触れる 振り向いてはいけない こんな日には明日のことなど考えず 遠い昔のことに思いを馳せる 誰が肩に手を置いたのか その冷たい感触に突然全てを知る