風の日
地球の自転を意識する
黄色い風の吹くある日の午後
わたし達はゲンゲの野に出た
わたし達の足どりは軽やかで
瞳は定かな位置にあり
唇からは別れの段取りがこぼれていた
わたしは地軸を目安に歩くので
あなたは斜めに行きなさい
私は流れを下って行くので
あなたは斜めに横切りなさい
くれぐれも逆上ったり
直角に横切ることの無いように
これがわたしの正しい生き方
それがあなたの楽しい生き方
こんな黄色い風の吹く午後に
こんなゲンゲの咲く春に
お別れできるのはとっておきの幸せ
それぞれの軌道造りに
今、さあ、さよなら
さ、よ、な、ら、