「贅沢な床」は1991年4月、新しい写真状況のショーケースとして京橋にて開催された。 それから13年後の2004年に会場をシリウスに移し「贅沢な床2」展を開催。その後約1年毎に展示を繰り返し、一昨年12月に7回目を迎えた。その間の写真状況は、ポストモダンの影響やデジタル画像技術の発展など、焦点を持たない多極化した状態から、すべての極が不規則に絡み合うという状況に変遷している。そんな写真状況の現在進行形の展覧会である。
今回は2012年6月に急逝された吉村朗氏の追悼展という意味合いも含んでいます。 「贅沢な床」展は彼の発案で始動し、2004年の再始動の際にも尽力しており、この展覧会に対して一方ならぬ思いを持っていました。毎回必ず展示に参加するのではなく、ある距離を置きながら色々と意見を述べていました。彼が生きていたらこの写真状況にどう対応していただろうか? 志半ばにして遠いところに旅立たれてしまったのが残念でなりません。