麻醤麺
叔父さんは毎晩ホテルで日本から持ってきた日本酒を飲んでいる。
それはそれで良いのだけど、たまには外で飲みましょうよ、と言うと「外のは何が出るか分からないし、食あたりなどもあるかもしれないから良いよ、けん坊、部屋で飲もう」。
お仕着せの料理ばかりじゃ本場の味が分からずじまいでわざわざ来た甲斐がないじゃないか!と思うも、叔父さんの年齢的なこともあるし、その外国を知るのは何も食べ物ばかりじゃないので、これはこれでありだ。
それでも一度ぐらい食べてみたい。
最終日の出発前に王府井小吃街に並ぶお店の一つに行ってみた。
お店は小道を挟んで左右に数件ある。お店とは言っても小さな区切られた長屋風で室内あれば屋外テーブルもある。
クーラーのない室内なんて誰も望まないので店先の丸テーブルに座る。やる気のなさそうな愛想を浮かべた若いネーチャンが「何食べる?」。
「麻醤麺ちょうだい」
「焼餃子はどお?」
「じゃ、それも」
しばらくすると地方からの旅行者だろうか娘と母親の2人連れが相席当然風に私のテーブルに座った。
麻醤麺が運ばれて来たのは良いのだけど、対面の別な店から運ばれてきた。でも麻醤麺はそのお店のメニュー札に記されている・・とっても不思議中国。
人目を気にせずデジペンでパシャリ。隣の女性達が「え?」、「いや、麻醤麺初めて食べるので記念に撮ったのですよ」
「日本人?」
「そうだよ、アナタ達は?」
「○×から」、○×は聞いても分からない地名。中国内のどっかの町からだろう。
しばらくすると彼女達が注文したラーメンが、これまた別の店から運ばれてきた。こういうシステム、良く分かんねー。
お母さんの方が一口食べようとしたらいきなり箸をテーブルに投げて叫んだ。
ラーメンの中に何か異物が入っていたのだろう、さきほどのやる気のないネーチャンにかなりの勢いで叫び罵倒し「こんなの要らん、金は払わないよ!」。
「お客様、大変失礼いたしました。新たに作り直しますのでしばらくお待ちください。もちろんお代は頂きません」、なんて100元払っても言わないのが中国人、いや北京人か。
そのやる気のないネーチャンは、よりやる気をなくしたようにフテくされ気味に何も言わずにそのラーメンを下げた。
麻醤麺は写真の通り、中国風冷やし中華みたいな感じで、パサパサした麺の上にゆでたもやしときゅうりの細切り、そしてやや辛めの味噌ダレがかけてあるもの。量は日本のと同じ。これで12元(160円)だけど、二回りぐらい小さい椀で同じく160円ぐらいの台湾の麺の方がダントツに美味い。
食べていると先ほどのフテくされネーチャンが親切にも食べ方を教えに来てくれた。
「これは全部かき混ぜて食べると美味しいよ」・・あぁ、うちのカミさんみたいなことを言うな。そしてその食べ方は韓国風だ。
私は適当にかき混ぜて多少偏っている方が飽きなくて好きなんだけどな。
「分かるけど、私はこういう食べ方が好きなんだ、大丈夫だよ」
その時、同じものを頼んだのだろう、その親子と私の分の焼餃子が運ばれてきた。
焼餃子(鍋貼)は予想外だ。
クレープみたくてとても食べやすい。どこでもそうだけど餃子自体にはあまり味がなく、ポイントは薬味と醤油というのが日本的?刻んだトウガラシはあったけど醤油がない。
トウガラシ自体に醤油が微妙に染み込ませてあって、これはこれでスナック風でビールのツマミには最高だ。20元(260円)・・・結構高いぞ。日本のマンシュウの100円(7.5元)餃子を見習え〜。
でも量がある、隣の親子に「喰い切れないから、半分食べない?」
「私もそれをアナタに言おうと思っていたのよ〜」
ダメじゃん〜。
麻醤麺は全部食べたけど、餃子は半分残して辞した。北京のみなさん、残して済みません〜!
|