鉛筆を削るように シャキシャキと 体を削る 耳の付け根のあたり 胸の下からくぼみにかけて ふたつの冷えた膨らみ 大腿骨のあたりへと
地下鉄のホームに立つと 必ず削る習慣 カスのような皮膚が ホームを斜めに走って行く ほとんどの人が気に留めず 初老の人のよさそうな婦人が 「おオキレイですね」 と声をかける
段々気が遠くなりながら 近づいてくる電車を 意識する 芯だけが残っている