二番目の国境や 三番目の国境を越えて 大陸を電車で旅したことがある それは夢のように霧のように 流れる車窓の旅
何年か後に 流れて行ったのは景色ではなくて 自分だったのだと思い出す 自分は 内からも外からも 体も魂も車窓を流れて行った
時が過ぎて 私は国境の駅から歩き出す 遠い長い道のりを 住むべき国に向かって 流れて行った自分の魂を あちらこちら探しながら