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エミリオの工房

エミリオの工房
エミリオの工房
 グラナダのエミリオの店先はシンプルになり、何軒もある似たような店に紛れてしまい一つ一つ中を覗かないと分からなくなってしまった観がある。以前は日本語で「買ったお土産は郵便小包にして発送します」などと書かれた看板が唯一掲げてあり、それが珍しくて店に入りエミリオと友達になったのが30年前だけど、今は日本人観光客がゴメレス坂を歩かなくなったのか取り外してしまったようだ。
 記念に店先を数カット撮ったのだが、どれも曲がっていてウデが鈍ったのか。いや、坂にあるからもともと斜めなのだ。

エミリオの工房にて
エミリオの工房にて
 かみさんからエミリオのところで適当にお皿を見つくろって買ってきてね、と言われたので、翌日出発の最終日、またゴメレス坂を途中で休憩しながら登った。
 年金受給者になっているエミリオなのでそれほど若い時のようにガツガツ仕事をしなくなたのだろう、品物が随分と縮小気味になっていた。

 もともと寄せ木細工の職人なので寄せ木細工製品はそれなりにいろいろ揃っているのだが、付随したグラナダ絵柄の絵皿や食器などが少なくバラエティにも富んでいない。シンプルな白地に青や緑でザクロなどを模したシンプルで伝統的なのが少ない。寄せ木細工製品以外のものへの不平は論外だけど。
エミリオの工房
エミリオの工房
 反対側にモダンな店ができそちらの方がよりバラエティな皿が揃っているのだが、そこで買ったのも一緒に送ってくれる?とは口が裂けても言えない。特に絶対これが欲しいというものではないので、エミリオの店にあるのを見つくろった。ちょうど東北大震災で割れてしまったものの補充として、大小合わせて20枚ぐらいで14,000円。プチプチで梱包したのを段ボールに入れた航空便が6,500円。

 寄せ木細工の方は以前に十分に買いまくってしまったので、友人に上げるコースターと壁掛け鏡を買った。
 昔、100万円と言っていたエミリオが作った寄せ木細工のライティングビューロが今でも鎮座していた。行く度に聞いているのだが、友達価格で80万円ぐらいになるかな、と思って「今、これ幾ら?」と聞いたがエミリオは笑っただけで答えなかった。売る気ないのかも。

コンチと一緒に
コンチと一緒に
 その後、エミリオの奥さんのコンチと合流し、海の方に行く国道を25km走ったガソリンスタンドに付帯した大きなレストランに連れていってくれた。オーナーがエミリオの親友のようだ。
 豚肉のオリーブ油焼きを食べようとしたら「これが美味しいからこれにしなよ」とエミリオ。料理名は聞いた瞬間に忘れた。デミグラソースがたっぷりとかかった3つのミニハンバーグのポテト添えが運ばれてきたが、ハンバーグではなく分厚く柔らかいヒレ肉だった。こういう食べ方もあったんだ、デミグラソースがけのヒレステーキ。こんな美味いものならやはりワインでしょう。でも頑張って大盛り2杯まで飲んだ。

 ホテルまで送ってもらい、ちょこっとシエスタ(昼寝)をした。その日は30度を越えていたけど乾燥しているので汗もかかず、開けた窓からは気持ちの良い風が入ってきた。スペインで昼寝するのが一番幸せ感があるかも。
 支払いの為、一度エミリオの店へ行った。金曜日だったので、観光客に加え地元の人達もあちらこちらに出かけたりしているのか、一昨日よりもまして凄い人ごみだったグランビア周辺。
 日本の5時ぐらいの明るさの9時、20分ぐらい待ってもバスがこないのでタクシーでホテルへ戻った。7ユーロ(900円)。
 9時半にホテルに着いたが外は普通に明るい。真っ暗になるのにはあと40分ぐらいはかかるだろう。こういう明るさと時間の進み方はなかなか慣れない。冬は日本とほとんど同じなんだけどね。