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ルルデの家へ

 海外で通信ができる980円/24時間は、とっても便利なものだと現地に着いてから思った。
 ホテルにはパスワード付きの無線LANがあるので使わないかなと思いきや、時差があるので外出時に家族からLineメールが来て「とーちゃん、図書カードを使ってアマゾンで買っていい?」と娘から。
 時間があれば、ちょっとかみさんへLine電話などをして、とんでもない高額な国際電話なんぞは緊急用の保険と相成った観がある。

 取りあえずグァディックスに着いたので亡くなった友人ホアキンの妹ルルデに「これから行くね」とメッセンジャーメールし、暮れなずむ夜7時過ぎにホテルを出た。
 ルルデの家は中心地から徒歩15分ぐらいにある新興分譲住宅エリアにあり、もう何回も行っていて道は覚えているのだが、到達できるのはその家半径20mまでで迷わずたどり着けたことがないのだ。
 分譲なのでみんな同じ色で同じ形、同じ外観で、かつ表札なんぞは全くないからだ。住宅地内の私道にはそれぞれ名前があるらしいのだがその表示プレートが見あたらない。ラビリンスだ。

ルルデの家付近 ルルデの家付近 ルルデの家付近
ルルデの家付近。表札等もない似たような家ばかりなので良く分からない。

 いつもその辺の人に聞いてたどり当てるのだが、あいにくその日は暮れなずんでいて誰も歩いていない。
 Facebookのメッセンジャーメールで「今、とても近いところにいるのだけど、やはり道に迷ったよ〜」
 ルルデから「どこにいる?」・・・なんという返事なんだ。
 「さっき、小さな三角形の公園を見かけたよ」
 「そこじゃない、もっと下だ」、北と東へ下がるところがあるが、どっちだ?
 「外に出て、私を探してちょうだい〜」
 遠くで私を呼ぶ聞き覚えのある声がした。
 漆喰の空のもとオレンジ色の電灯が照らす路地にて13年振りに会ったルルデとハグ。

ルルデ
ルルデ
 道路名はどこにあるの?と聞くと、それぞれの棟の角の屋根の下あたりに掲げてあった。思いっきり分かりづらいが、郵便配達員ぐらいが分かれば良く、それ以外に敢えて自分の居場所を知らしめる必要がないと考えれば表札などは不要になる、という訳だ。なるほど。
 因にスペインではLineは生息率はゼロ、そしてメッセンジャーはメーラーとして利用するけれど、Facebookは使わない見ない、という人もいる。全体的にiPhoneは少ないが、MacBookは多い。

 ところで、リオハ(Rioja)はスペインを代表するブランド名だけど、私の知るアンダルシア人の殆どが、「リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)がいいねぇ」と言う。いずれもワインの原産地名なのだが、飲み比べたとしても私にはさっぱり分からないのは、日本では「リベラ・デル・ドゥエロ」を見かけたことがないからだ。
 補足すれば、いつもワインを買うのはディスカウントリカーショップの2,000円以下のコーナーのみなので、素通りする3,000円以上のコーナーにあったとしても分からないからである。

スペインの愛人とみたいだ
スペインの愛人とみたいだ
 昨日は、右足の膝にちょっと水が溜まったようになっていて、その前にマヌエルのところで飲んだボトル半分が効いたか。痛みが全然ないのは尿酸値が低いからだろう。
 痛風だと言うと、たいていみんな「私の親戚の○×もそうで・・」と待っていました、とばかりに話し出してくるので、スペインの呑兵衛内では必ずや洗礼を受けるものみたいだ。
 試しにみんなに聞いてみた。毎日、いや週4回ぐらいボトル1本飲みのは飲み過ぎかねぇ?
 酒をあまり多く飲まないマヌエルは「そりゃぁ飲み過ぎだよ。半分でも多いな、1/3がリミットかな。」
 良く飲むホアンヘと少し年上のおばちゃんルルデは「そりゃぁ飲み過ぎだよ。半分だね〜。」

息子のホルヘと
息子のホルヘと
 アルコールとは別に、サラミと生ハムは140mg/100mlと高目である。ちょっとヤバいなぁ、と思うも、スペインくんだりまで来て、ワインと生ハムを食べないのなら何しに行くんだ?になる、いや今回はちゃんとした目的があって来ているのだけど。
 少し節制し、一昨日はビール半分で昨日は飲まなかった。今日も飲まないで、と思っていたら、「○×と△■を誘ったので、今夜8時にちょっと飲もうよ」とのお誘いがあった。軽く断ろうと思ったら場所はワイン樽が並ぶワイン居酒屋(Bodeguilla)、かつ観光客なんて見たことのない地元専用の居酒屋だ。
 グァディックスにくれば必ず立ち寄ってはヘラヘラと飲んでいたのだが、今回はそこだけは近寄らないようにしようと心していたのに、最終的には何杯までにしようかと思案している自分がいた。