台湾短期留学滞在記
【 背心 】 2010.1.18 0:48

 ベスト(チョッキ)のことを中国語で「背心(ベイシン)」と言うのだけど何でだろう?日本語の「背広」は何故、というのと似ているかも。

 工房に行ったらやっとマエストラがいた。
 日本だと工房だけど、中国語だと「工作室」か「工坊」、ちょっと違和感あるかな。
 また、こういう場合、師匠、職人とかの呼称があるのだけど、女性の場合は「女士」で、彼女の名前と一緒に「正愛花女士」になっている。
 名刺には「負貴人 正愛花」、ふーん。

 前回の正月の時に一緒に飲んだ、正さんの旦那もいた。
 スペインもそうなんだけど、こんな綺麗な女性になんでこんな旦那が?というのが台湾にも多い。

 ベストと一緒に筆箱を作って欲しいと言うのだが「筆包」が通じない、今回は四声は合っている。
 大陸用の電子辞書で調べて「筆盒」「筆套」・・・全然通じない。
 少し日本語が分かる正さんが「日本語で言ってみてくれますか。彼は私より日本語が分かるので」
 「ふでばこ」
 「・・・・」二人とも沈黙。
 仕方ないから筆談ならぬ絵談にしたら、あー、なるほど筆帯のことね!
 ビィダイというのですか。勉強になった。

 で、正さんが何故わざわざこんなところまで着てベストを頼む外人の気持ちが良く分からないらしく(と言っているように聞き取れた)、ちょうど旦那がいたので、通訳してもらおうと日本語で言ったら、この旦那、何を思ったか「うちの息子は、今大学で日本語を教えていて・・・」、人の話を聞いてくれ〜。

 正さんが既製のを持ってきてくれたのだけど「そうじゃないんだ」。
 「正さん自身が作ったセデック族の独特な模様のを私は欲しくてここに着たんだ」というのを何とか言って伝えることができた。
 こういうのをスラスラ言えたらどんなに良いことか。
 言いながら「あ、順番間違えた」、「あ、四声がズレた」「こんな単語あったけ?」・・言い直せば良いか、みたいな感じ、要は通じることがまず大事。

 それではちゃんとしたのを作りましょう、でもそれにはちゃんとした糸を仕入れなければならず、それは台北からで時間がかかる、とのこと。
 「いいですよ、後で取りに来るから〜」
 「でも日本に帰えるのですよね」
 「また来ますから没関係〜」
 「息子に頼んで送りましょうか」
 「お互い送料が分からないから、取りにきますよ」
 「今年の5月から6月、夏は嫌だから10月以降。それまで取っておいてくださいね」
 「分かりました」

 で、値段を聞いたら2,000元(5,700円)。
 3,000元(8,600円)越えたら値切ろうかなと思っていたところにこの価格、リーズナブルで嬉しい〜。
 それでも台湾のお土産の中では、20,000円の木彫り菩薩の次に高価なモノ。
 筆箱はオマケしてもらった。

 「で、このはた織りの名称、なんて言うのですか?」
 「セデック織り」・・・ベタな名前だ。

 旦那が「それではナカシマサーン、服を着て一緒に記念撮影をしましょうよ」、ということで、正式なセデック族の衣装を着させてもらった。
 息子さんの成人式辺りの服だから少し小さいが、下はカットしてね〜。
 「これでナカシマサーンもセデック族に婿入りだね」
 旦那のフレーミングは独特でシュールだ。



1 2 3 4 5